セッション情報 一般演題

タイトル

大腸ESDにおける創部閉鎖による偶発症対策

演者 吉井 新二(NTT東日本札幌病院 消化器内科)
共同演者 清水 佐知子(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 羽場 真(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 川本 泰之(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 横山 朗子(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 赤倉 伸亮(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 穂刈 格(恵佑会札幌病院 消化器内科), 塚越 洋元(恵佑会札幌病院 消化器内科), 間部 克裕(北海道大学病院 光学医療診療部), 加藤 元嗣(北海道大学病院 光学医療診療部), 坂本 直哉(北海道大学大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野)
抄録 【背景と目的】大腸ESDは大きな大腸腫瘍を一括切除可能とする治療法だが,EMRに比較して穿孔率が高いことが報告されている.我々は大腸ESDを2009年4月から215例に施行し,一括切除率93.5%と良好な切除成績をあげている.しかし,穿孔を4.2%(術中2.8%,遅発1.4%)に認め,穿孔対策が重要と考えられた.その対策としてクリップによる潰瘍面の縫縮が有用と考えられるがESD後の大きな潰瘍面を完全に縫縮するのは容易ではない.今回我々はナイロン糸とクリップを用いて作成した自作clipによるESD後潰瘍面の完全縫縮を試みたのでその方法を提示する.【方法】(作成手順)手術用4-0ナイロン糸で3mm程度のLoopを作成.オリンパスEZ clipをカートリッジからはずしナイロン糸のLoopをクリップのアームの部分に結紮.結び目を瞬間接着剤で接着しカートリッジに収納する.(使用方法)ESD終了後,作成したクリップを潰瘍面の近位側の粘膜に留める.その後別の通常のEZ clipの片脚をナイロン糸のループにかけて,充分にairを吸引して対側の粘膜を引き寄せながらクリッピングする.大きな潰瘍面の場合には複数個所同様の方法で引き寄せる.さらに縫縮をより強固にするために通常のクリップで追加縫合を行うことでより完全な縫合にする.【結果】Loop clipによる縫縮を10例に試みた.部位別では,C/A/T/D/S/R=3/3/0/1/2/1,肉眼型別では,LST-G5,LST-NG2,Is2,Ip1で,切除潰瘍面の平均長径36.7mm(最大59mm),平均縫縮時間10.1分であった.症例数は少ないが縫縮例において1例も偶発症は認めなかった.【結論】我々の方法は簡便で特別な処置具を必要とせず,大きな潰瘍面や襞にまたがる縫縮困難例においても有用であった.当日は具体的な方法を動画にて供覧する.
索引用語 大腸ESD, 内視鏡治療