セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 胃内視鏡検診における胃癌偽陰性の検討 |
演者 | 清水 佐知子(NTT東日本札幌病院 消化器内科) |
共同演者 | 吉井 新二(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 羽場 真(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 川本 泰之(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 横山 朗子(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 赤倉 伸亮(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 間部 克裕(北海道大学病院 光学医療診療部), 加藤 元嗣(北海道大学病院 光学医療診療部), 坂本 直哉(北海道大学大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野) |
抄録 | 【背景・目的】胃内視鏡による検診の受診者は年々増加している.しかし,実際には見落とし・見逃しと判断せざるを得ない偽陰性例が存在する.今回,我々は胃内視鏡検診における胃癌偽陰性例の原因を検討する.【方法】2004年4月から2011年3月までの期間に当院の胃内視鏡検診で診断された胃癌41例中,3年以内の胃内視鏡検診で胃癌なしとされた32例を偽陰性例とし,前回内視鏡画像を見直してその原因を検討した.【成績】胃癌検診偽陰性32例の平均年齢は55.4歳,男女比29:3で,診断前の平均内視鏡回数4.5回,検査間隔平均12.9か月とほぼ逐年検診に近い受診歴であった.前回経鼻内視鏡1例,経口細径内視鏡4例で,肉眼型は0-IIa 2例,0-IIb 1例,0-IIc 18例,0-III 1例,2型1例,3型2例,組織型は分化型21例,未分化型11例,深達度はpM 21例,pSM 8例,pMP以深3例であった.最大腫瘍径は10mm以下8例,11~20mm12例,21mm以上12例で,部位別ではL大弯(8例)とM後壁(6例)に多く見られた.治療は,内視鏡治療10例,外科手術22例で胃癌死亡例は認めなかった.偽陰性の原因は,1.病変を指摘しているが癌を疑わず未生検,または生検しているが非悪性の診断等の質的診断不良9例(28.1%),2.病変は撮影されているがレポートに記載されてない存在診断不良6例(18.8%),3.病変部未撮影・洗浄不十分等の観察不十分6例(18.8%),4.病変部位の比較照合可能だが指摘困難11例(34.4%)であった.指摘困難11例を除くと胃内視鏡検診で発見された胃癌における偽陰性率は51.2%(21/41)であった.前回画像の見直しにより病変として認識できる例が偽陰性の71.4%(15/21)で,pMP以深の3例はいずれも生検非悪性診断によるものであった.【結論】かなりの偽陰性例があることを念頭に置いて逐年検診をすすめることが重要であるが,その半数以上は指摘できた可能性がある為,質の高い観察を心掛ける必要がある. |
索引用語 | 胃内視鏡, 検診 |