セッション情報 |
シンポジウム1 「消化管疾患における画像診断の進歩」
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タイトル |
胃X線検査におけるCアーム式装置の有用性
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演者 |
武藤 桃太郎(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科) |
共同演者 |
下田 瑞恵(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科), 石川 千里(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科), 井上 充貴(JA北海道厚生連 遠軽厚生病院 内科) |
抄録 |
【背景】冠動脈造影に使用されているCアーム式寝台を用いて、角度を変えて撮影する斜入撮影法をX線検査に取り入れたところ、従来のX線検査の欠点の多くが解決できることがわかった。【目的】上部精密X線検査におけるCアーム式装置の有用性を臨床的に検討した。【方法および対象】多方向X線透視撮影装置CアームテーブルSF-VA200(Prius-C)(日立メディコ)でCアームを用いて、cranial~caudal(頭尾側)およびRAO~LAO(左右側)の任意方向から斜入撮影法を行った。対象は2009年10月から2013年4月までの間に施行した上部精密X線検査70例72病変で、全て胃癌(早期癌39病変、進行癌33病変)である。これらの病変の範囲・進展診断において、斜入撮影法が寄与したかどうかを判定した。具体的には、適宜切除標本と対比して、斜入撮影法により、実像に近い画像が得られたか、病変を正面視できたか、病変と噴門や幽門との距離が正確に測定できたかなどを、A:非常に有用(斜入撮影法が必須であった)、B:有用(病変の質的診断には関わらなかったが、画質が向上して診断に寄与した)、C:特に有用ではない、の3段階に分けて評価した。【結果】胃癌全72病変でA/B/C=14/28/30と、A+Bが58.3%を占めた。進行度別では早期癌39病変でA/B/C=7/15/17、進行癌33病変でA/B/C=7/13/13であった。病変部位別で検討すると、大弯24病変でA/B/C=3/10/11、前壁14病変でA/B/C=3/4/7、小弯21病変でA/B/C=6/9/6、 後壁13病変でA/B/C=2/5/6と、有意差はないが小弯病変で若干有用性が高い傾向であった。胃の形別で検討すると、鉤状胃29病変でA/B/C=2/12/15、下垂胃6病変でA/B/C=0/2/4、牛角胃14病変でA/B/C=6/6/2、瀑状胃23病変でA/B/C=6/8/9と、牛角胃で有意に有用性が高かった(p<0.05)。【結論】上部精密X線検査において、特に小弯病変や、牛角胃では、積極的に斜入撮影法を使用する事が精度向上につながると考えられた。 |
索引用語 |
X線検査, Cアーム |