セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 十二指腸癌肉腫の1例 |
演者 | 飯田 智哉(市立室蘭総合病院 消化器内科) |
共同演者 | 金戸 宏行(市立室蘭総合病院 消化器内科), 佐々木 基(市立室蘭総合病院 消化器内科), 永縄 由美子(市立室蘭総合病院 消化器内科), 石上 敬介(市立室蘭総合病院 消化器内科), 内藤 崇史(札幌医科大学 第一内科), 中垣 卓(市立室蘭総合病院 消化器内科), 佐藤 修司(市立室蘭総合病院 消化器内科), 清水 晴夫(市立室蘭総合病院 消化器内科), 永山 稔(市立室蘭総合病院 外科), 佐々木 賢一(市立室蘭総合病院 外科), 澁谷 均(市立室蘭総合病院 外科) |
抄録 | 【症例】59歳、男性【主訴】上腹部痛、背部痛【現病歴】平成21年11月頃から上腹部痛、背部痛を自覚し近医にて上部消化管内視鏡検査が施行されるも慢性胃炎の所見のみであり、経過観察となっていた。その後も症状改善せず、発熱も伴ってきたため平成22年1月下旬、精査目的に当科紹介、同年2月初旬、当科入院となった。【入院後経過】腹部単純CTで十二指腸に腫瘍性病変の存在が疑われ、直視鏡及び側視鏡で十二指腸下行脚に半周性で5cm大の1型腫瘍を認めた。腫瘍により肛門側の観察は困難であり、十二指腸乳頭は確認できなかった。生検では紡錘形細胞の増生、免疫染色でvimentin陽性、KITが核にのみ陽性で、CD34、SMA、desmin、S-100、AE1+3はいずれも陰性であり、十二指腸GISTと診断した。PETではその他の部位に明らかな異常集積を認めなかった。入院時より連日38度台の発熱を認めていた。主膵管の拡張はなかったが軽度総胆管の拡張があり、胆管炎を疑ってLVFXの内服を開始したところ速やかに解熱傾向を示した。全身状態が落ち着いたため2月下旬に外科に転科し、膵頭十二指腸切除術が施行された。病変は6.8cm×6.5cmの1型腫瘍で、Vater乳頭とは連続していなかった。管状腺癌と紡錘形細胞の増生で構成されており、AE1+3が管状腺癌で陽性、紡錘形細胞で陰性、vimentinが管状腺癌で陰性、紡錘形細胞で陽性であり、十二指腸癌肉腫と診断された。7mmの膵浸潤を認め、リンパ節転移陽性(#8a、#13a、#13b、#14d)であり、T4N2M0,StageIIIB(UICC)と診断された。その後多発肺転移及び骨転移を認め、緩和的化学放射線療法を行い全身状態は一時改善したが、術後23ヶ月で永眠された。【考察】消化管の癌肉腫の報告は稀で、中でも十二指腸原発癌肉腫は本邦では数例のみの報告に留まっている。今回我々は十二指腸原発癌肉腫の一切除例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 十二指腸, 癌肉腫 |