セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル

当院における内視鏡的大腸ステント挿入例の検討

演者 沼田 泰尚(帯広協会病院 消化器内科)
共同演者 仲地 耕平(帯広協会病院 消化器内科), 高村 毅典(帯広協会病院 消化器内科)
抄録 【背景】大腸用ステントが2012年1月に保険収載され、悪性腫瘍による大腸閉塞に対する術前の閉塞症状の解除及び緩和的外科治療が困難な患者における姑息的治療を、内視鏡的に行うことが可能になった。当院における同ステントの治療成績について報告する。【対象】2012年4月から2013年5月までに、当院において悪性大腸閉塞に対しBoston Scientific社のWallFlex Colonic Stentを使用し内視鏡的大腸ステント挿入術を行った11例について検討した。【結果】患者の平均年齢は84.5歳(76-94歳)、疾患の内訳は、大腸癌10例、肝内胆管癌結腸浸潤1例であった。ステント挿入部位は、直腸2例、S状結腸5例、横行結腸4例であった。疾患に対する治療方針は、緩和治療9例、外科切除1例、化学療法1例であった。ステント挿入は全例で可能であったが、横行結腸癌の1例では閉塞部をデバイスが越えられなかったため、処置用内視鏡を使用して挿入に成功した。全例で閉塞症状の改善を認めた。観察期間中における再閉塞は1例に認められ、162日で再閉塞をきたし、待機的にハルトマン手術を施行した。ステント開存期間中央値は162日(11-227日)であった。合併症は腹膜炎を2例に認めたが、保存的に軽快した。【考察】悪性大腸閉塞に対する内視鏡的大腸ステント挿入術は、ステント挿入成功率、臨床的有効率とも高く、安全に施行でき、閉塞解除の目的を果たしていた。合併症として腹膜炎を認めており、慎重な挿入手技と術後管理を要すると考えられた。
索引用語 大腸ステント, 悪性大腸閉塞