セッション情報 一般演題

タイトル

原発不明癌頸部リンパ節転移として精査加療中に上部消化管内視鏡にて発見された中咽頭癌の1例

演者 高橋 正和(北海道大学病院 消化器内科)
共同演者 清水 勇一(北海道大学病院 消化器内科), 吉田 武史(北海道大学病院 消化器内科), 大野 正芳(北海道大学病院 消化器内科), 鈴木 美櫻(北海道大学病院 消化器内科), 大森 沙織(北海道大学病院 消化器内科), 森 泰明(北海道大学病院 消化器内科), 中川 学(中川胃腸科), 小野 尚子(北海道大学病院 光学医療診療部), 中川 宗一(中川胃腸科), 間部 克裕(北海道大学病院 光学医療診療部), 加藤 元嗣(北海道大学病院 光学医療診療部), 坂本 直哉(北海道大学病院 消化器内科)
抄録  症例は50歳代男性.2010年8月に右頸部の腫脹を自覚したため9月4日近医を受診し,胸腹部CT検査およびEGDを施行するも明らかな異常所見は認めなかったが,血液検査でSCC 3.9ng/mlと高値であり,悪性疾患が疑われたため当院腫瘍内科紹介受診となった.耳鼻咽喉科に入院の上10月14日に右頸部リンパ節摘出術施行,病理診断は低分化型扁平上皮癌の診断であった.原発同定のため10月25日に扁桃摘出+random biopsyを施行したが,悪性所見は得られなかった.10月29日に当科にてEGDを施行したところ,食道切歯列34cmに12mm大の0-IIc病変を認め,生検にて扁平上皮癌の診断であったが,頸部リンパ節転移の原発としては否定的であった.早期食道癌と原発不明癌の重複癌と考え,11月11日に食道癌に対してEUSを施行した際に,舌根から喉頭蓋谷にかけて0-IIa病変を認め,生検にて扁平上皮癌の診断,リンパ節転移の原発巣で矛盾はないと考えられた.以上の結果から,中咽頭癌(T2, N1, M0),食道癌(cT1a-MM, N0, M0)の診断となり,11月25日より中咽頭癌に対して化学放射線療法開始となった.Weekly CDDP 6コース+RT (70 Gy / 35 Fr)を完遂し,中咽頭癌はCRとなった.食道癌も一時消失していたが,再燃を認めたため,2011年7月28日にESDを施行した.病理組織学的診断は,Lt, Squamous cell carcionoma, pT1a-LPM, INFa, ly0, v0, pHM0, pVM0.であった.2013年6月現在,中咽頭癌,食道癌ともに再発を認めていない.
索引用語 咽頭癌, 原発不明癌