セッション情報 一般演題

タイトル

当院における早期食道がんに対する内視鏡的粘膜下層切開剥離術の現状

演者 紺野 潤(社会福祉法人 函館厚生院 函館中央病院)
共同演者 廣田 ジョージョ(社会福祉法人 函館厚生院 函館中央病院), 大北 一郎(社会福祉法人 函館厚生院 函館中央病院), 児嶋 哲文(社会福祉法人 函館厚生院 函館中央病院), 池田 仁(社会福祉法人 函館厚生院 函館中央病院), 吉田 武史(北海道大学病院), 伊藤 淳(岩見沢市立総合病院)
抄録 早期食道がんに対する内視鏡的粘膜下層切開剥離術(以下ESD)は、保険適応にはなったが、未だ一般市中病院では、手技が高難度な事と穿孔等により縦隔炎などの重篤な合併症が起こりうる事により、普及していないのが現状である。当地函館でも、我々のグループ以外の在住の術者は1人程度で、当院以外ではほとんど施行されていないのが現状である。当院では4年前より施行しているが、最近2年6ヶ月間の現状を報告する。
【対象と方法】2010年10月から2013年3月までの2年6ヶ月の間に、当院で早期食道癌のESDを施行した男8名、女3名、年齢は61-83歳までの平均72.6歳の計11名、13病変を対象とし、腫瘍の占拠部位、形態、大きさ、深達度、組織型、施行時間、一括切除率、合併症、術後の拡張の有無について検討した。
【結果】腫瘍の占拠部位はUtが1例、Mtが8例、Ltが2例、MtからLtにまたがるのが1例、UtからMtにまたがるのが1例。形態は0-IIb7例、0-IIcが5例、0-IIc+IIaが1例。大きさは切除標本の大きさであるが、5-60mm大の平均22.5深達度はEP9例、LPM4例。組織型は、高異型度上皮内腫瘍10例、扁平上皮がん3例(高分化1例、中分化1例、低分化1例)。施行時間は平均104分。一括切除率は81.8%であるが、今のところ局所再発はない。合併症は微少穿孔を2例に認めたが、保存的に軽快している。術後の拡張を要したのが5例であった。
今回、これから早期食道がんのESDを始めようとする消化器医に対してのアドバイスとともに報告する。
索引用語 早期食道癌, 粘膜下層切開剥離術