セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 胃内分泌細胞癌の一切除例 |
演者 | 植村 尚貴(王子総合病院 消化器内科) |
共同演者 | 南 伸弥(王子総合病院 消化器内科), 中嶋 千紗(王子総合病院 消化器内科), 早坂 尚貴(王子総合病院 消化器内科), 奥田 敏徳(王子総合病院 消化器内科), 神原 悠輔(王子総合病院 血液腫瘍内科), 藤見 章仁(王子総合病院 血液腫瘍内科), 蟹沢 祐司(王子総合病院 血液腫瘍内科), 京極 典憲(王子総合病院 外科), 鈴木 昭(北海道大学医学研究科分子病理分野) |
抄録 | 症例は76歳男性。1か月前からの心窩部痛、黒色便を自覚し、2012年10月近医受診。血液検査でHb 5.5g/dlと貧血の進行を指摘され、精査・加療目的に当科紹介。上部消化管内視鏡検査にて胃角部~胃前庭部後壁にかけて大きさ約6cmの2型腫瘍を認め、生検で低分化腺癌の診断を得た。CTでは胃前庭部に壁肥厚を認め、最外層に毛羽立ちを有し、膵臓への浸潤も疑われた。また、胃周囲に転移と思われる多発リンパ節腫大を認め、T4a, N3, M0 clinical stageIIICと診断し、当院外科と相談の上、化学療法によるdown staging後、外科的切除を検討する方針となった。TS-1+CDDP療法を用いた術前化学療法を3コース施行した。3コース施行後、上部消化管内視鏡検査では原発巣は潰瘍瘢痕となっており、生検で悪性所見は認めなかった。CTでは胃周囲のリンパ節は著明に縮小していた。2013年3月当院外科にて幽門側胃切除、D2郭清、B-I再建術施行。病理組織所見では漿膜下層の1.5mm大の範囲にN/C比の高い癌細胞の充実性増殖を認めた。免疫組織学的染色にてsynaptophysin陽性、chromogranin A陽性、CD56陽性であり胃内分泌細胞癌と診断した。またリンパ節転移を2個認め、病理組織診断はM, Post, yType2, 1.5mm, pT3(SS), ly0, v0, pN1, pPM0, pDM0, ypStageIIBという結果であった。現在外来でTS-1による術後補助化学療法施行中であるが、再発なく経過している。 胃癌の中で胃内分泌細胞癌は比較的まれで、早期より脈管侵襲を伴いリンパ節転移や遠隔転移の頻度が多いとされている。今回我々は術前化学療法後、手術を施行した胃内分泌細胞癌を経験したので、文献的考察を踏まえて報告する。 |
索引用語 | 胃内分泌細胞癌, Endcrine carcinoma |