セッション情報 一般演題

タイトル

当院における大腸癌イレウスに対する処置の現況

演者 金野 陽高(イムス札幌消化器中央総合病院 消化器内科)
共同演者 林 明宏(イムス札幌消化器中央総合病院 消化器内科), 羽廣 敦也(イムス札幌消化器中央総合病院 消化器内科), 上野 敦盛(イムス札幌消化器中央総合病院 消化器内科), 本村 亘(イムス札幌消化器中央総合病院 消化器内科), 丹野 誠志(イムス札幌消化器中央総合病院 消化器内科)
抄録 【目的】大腸癌イレウスに対する腸管減圧処置として経鼻・経肛門的イレウス管や大腸ステント留置が行われ、その有用性が報告されている。そこで、当院における大腸癌イレウスに対する処置の現況を検討し、その有用性及び問題点を明らかにすることを目的とした。【方法】2010年3月から2013年5月までに当院で加療した大腸癌イレウス13症例、その処置15件を対象とし、患者背景、処置、有効性について検討した。【結果】全症例の平均年齢は73.8歳(61-90歳)、男女比は7:6、部位はS状結腸9例、横行結腸2例、上行結腸1例、盲腸1例であった。減圧処置の目的は12例がBridge to surgery(以下BTS)、1例がPalliative careであった。初回処置として経鼻イレウス管3例(横行結腸1例・上行結腸1例・盲腸1例)、経肛門的イレウス管6例(S状結腸5例・横行結腸1例)ステント4例(S状結腸4例)を行った。減圧が不十分であった経肛門的イレウス管のS状結腸2例で経鼻イレウス管を追加した。BTS症例で術前に十分な減圧が得られたのは経鼻・経肛門的イレウス管で66.7%(6例/9例)、大腸ステントで100%(3例/3例)であった。平均留置期間はイレウス管にて減圧が得られた症例で10.2日、減圧が不十分であった症例で4.7日で減圧が不十分であった症例では早期の手術を必要とした。大腸ステントでは8.0日であった。肛門的イレウス管の33%(3例/9例)、大腸ステントの66.7%(2例/3例)で人工肛門造設術が行われた。Palliative careで大腸ステントを留置した症例では2か月間、問題なく経過している。【考察】大腸ステントは減圧、並びに患者の受容性においても優れている可能性があるが、人工肛門を回避する結果には至らず、適応の判断、適切な留置期間の設定など今後の課題もあり、症例の蓄積、検討が必要である。
索引用語 大腸癌イレウス, 大腸ステント