セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | Cystic Pancreatic Neuroendocrine Tumorの1例 |
演者 | 内海 辰哉(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野) |
共同演者 | 後藤 拓磨(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 河本 徹(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 藤林 周吾(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 笹島 順平(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 佐々木 貴弘(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 坂谷 慧(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 田中 一之(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 堂腰 達矢(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 安藤 勝祥(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 上野 伸展(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 稲場 勇平(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 伊藤 貴博(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 盛一 健太郎(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 藤谷 幹浩(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 及川 賢輔(旭川医科大学 病理部), 三代川 斉之(旭川医科大学 病理部), 高後 裕(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野) |
抄録 | 症例は60歳代女性.平成23年12月より上腹部に腫瘤を触知するも放置していた.平成24年9月にかけて腹部違和感の増強,食欲不振を認め近医を受診.画像検査より膵頭部腫瘤が疑われ当科紹介初診となった.血液生化学検査は軽度膵酵素上昇を認めるのみで腫瘍マーカーは正常であった.CTにて,膵頭部に約75mmの境界明瞭,辺縁平滑な単房性嚢胞性腫瘤を認めた.嚢胞成分が主体で,淡い漸増性造影効果を伴う被膜は薄く,内腔にむかって丈の低い乳頭状隆起を呈していた.またMRI拡散強調画像にて点在する高信号域を認めたが,PETのMax SUV値は1.8→2.2と低値であった.超音波内視鏡検査では低~高輝度が混在するHeterogeneousな乳頭状隆起を呈していた.なお,いずれの画像検査にても嚢胞内は不均一であり,膵胆管・十二指腸などの周囲臓器は圧排されているが,主膵管拡張は認めなかった.以上より, Pancreatic Neuroendocrine Tumor (PNET) やSolid-pseudopapillary neoplasm (SPN) が考えられ,症状を伴うことからも,膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的検査では,繊維性被膜を有する嚢胞性腫瘍で,被膜を裏打ちするように淡好酸性顆粒状胞体とSalt & Pepper類円形核を有する腫瘍細胞を認めた.Chromogranin A・Synaptophysin・CD56陽性,vimentin・CD10陰性,β-catheninも核陽性を認めないことからPNETが考えられ,Mitosis 1/10HPF,Ki-67 index 6%よりG2と診断した.嚢胞を有するCystic PNETの頻度はPNETの約10%と少ないものの,他の嚢胞性疾患との鑑別が困難とする報告も散見される.特に本症例のように大部分が嚢胞成分の場合には,術前診断に難渋することがあるため,本疾患の臨床的特徴につき考察し報告した. |
索引用語 | 神経内分泌腫瘍, 嚢胞性膵疾患 |