セッション情報 | シンポジウム1 「消化管疾患における画像診断の進歩」 |
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タイトル | 胃腺腫と癌の鑑別にNBI拡大観察はどの程度寄与するのか? |
演者 | 小平 純一(社会医療法人 恵佑会札幌病院 消化器科) |
共同演者 | 山本 桂子(市立函館病院 消化器科), 安孫子 怜史(社会医療法人 恵佑会札幌病院 消化器科), 穂刈 格(社会医療法人 恵佑会札幌病院 消化器科), 塚越 洋元(社会医療法人 恵佑会札幌病院 消化器科), 大橋 広和(社会医療法人 恵佑会第2病院 消化器科), 岡原 聡(社会医療法人 恵佑会第2病院 消化器科), 松本 岳士(社会医療法人 恵佑会第2病院 消化器科), 高橋 宏明(社会医療法人 恵佑会第2病院 消化器科), 小池 容史(社会医療法人 恵佑会第2病院 消化器科) |
抄録 | 【背景・目的】生検ではGroup3(腺腫)だが、内視鏡治療後に腺癌と診断されることはしばしば経験される。これは鉗子で採取可能な組織量の問題の他、多彩な組織像を呈する胃癌において生検(点の診断)には限界があるためである。この問題にNBI拡大内視鏡観察がどの程度寄与するのか自院内視鏡治療例で検討した。【方法】2011年から2012年に内視鏡治療が行われた胃腫瘍病変を病理台帳から抽出。そのうち治療前生検診断がGroup3かつNBI拡大内視鏡観察が施行された67病変(最終病理診断腺腫34、腺癌33)を対象とした。腺腫と癌の鑑別に有用であることがすでに報告されている4つの通常内視鏡所見(腫瘍径、肉眼型が陥凹型、発赤、潰瘍合併)およびNBI拡大内視鏡所見(構造不整あるいは血管不整の有無)と内視鏡治療検体病理診断の関係を解析した。なお、拡大内視鏡診断は、八尾らの提唱するVS Classificationに準じており、トレーニングを受けた内視鏡専門医2名が検査終了直後に良悪の最終診断を下している。【結果】単変量解析では、腫瘍径30mm以上、陥凹型、発赤、NBI拡大観察で不整有の4つの因子が腺癌であることと優位な相関し、多変量解析では、腫瘍径30mm以上(Odds ratio 10.0)およびNBI拡大観察で不整あり(Odd ratio 35.7)の2因子が抽出された。【結論】NBI拡大観察は、腺腫と腺癌の鑑別に非常に有用であると考えられた。本検討は、ある程度経験を積んだ内視鏡専門医に限った検討であり、拡大内視鏡初学者に当てはまるのか否か追加検証が必要と考えられた。 |
索引用語 | 腺腫, NBI拡大内視鏡 |