セッション情報 一般演題

タイトル

診断が困難であったIgG4関連硬化性胆管炎の1例

演者 馬場 英(北海道社会保険病院 消化器センター)
共同演者 古家 乾(北海道社会保険病院 消化器センター), 小泉 忠志(北海道社会保険病院 消化器センター), 定岡 邦昌(北海道社会保険病院 消化器センター), 関谷 千尋(北海道社会保険病院 消化器センター), 服部 淳夫(北海道社会保険病院 病理部)
抄録 症例は60歳代女性。2013年3月にめまいを主訴に前医受診した。前医の血液検査にて肝機能障害を認め当院紹介となった。初診時、眼球結膜に軽度の黄染を認め,血液検査にて胆汁鬱帯型の肝機能障害を認めた。腫瘍マーカーはCEA,CA19-9は正常、DUPAN-IIが1508U/mlと高値であった。血中IgGは2670mg/dl、IgG4も292mg/dlといずれも高値であった。アミラーゼは正常範囲であった。腹部超音波では肝内胆管の拡張を認めた。また胆嚢内腔は狭小化し、全周性に壁が肥厚していた。肝門部を中心として胆管内腔を占拠する腫瘍性病変を認めた。CTでは肝内胆管および下部胆管が拡張をみとめ、肝門部胆管および周囲の肝組織に淡い造影効果を持った腫瘍性病変を認めた。胆嚢は内腔が狭小化し、全周性に壁の肥厚を認めた。また、軽度の脾腫もみとめた。画像状自己免疫性膵炎を疑う所見はなかった。EUSでは中部胆管から肝門部まで胆管壁がびまん性に肥厚し、肝門部で内腔が閉塞している状態であった。胆管壁の構造は保たれていた。以上から良性の胆管炎とくにIgG4関連硬化性胆管炎を疑い、ERCおよび狭窄部の生検、擦過細胞診を施行した。ERCでは肝門部から末梢の胆管は枯れ枝状に描出された。IgG4関連硬化性胆管炎の胆管像分類ではType2であった。狭窄部からの生検では明らかな悪性所見は得られず、リンパ球優位の軽度の炎症細胞の浸潤を認めた。肝生検では軽度な炎症細胞浸潤と肉芽腫様の血管造成と細胆管上皮の増生を認めた。胆管減少はあるが、やや太い胆管の硬化性変化は乏しかった。IgG4は類同壁にびまん性に染色された。以上の所見からIgG4関連硬化性胆管炎臨床診断基準2012では疑診となったため、ステロイド治療を開始した。ステロイド治療により血液検査所見は改善したため、診断基準上も準確診と判断した。IgG4関連硬化性胆管炎は自己免疫性膵炎を高率に合併するとされているが、単独で発症した場合には診断困難とされる。今回自己免疫性膵炎を合併しないIgG4関連硬化性胆管炎を経験したので報告する。
索引用語 IgG4, 硬化性胆管炎