セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル

診断的治療目的の腹腔鏡下脾摘術が有用であった胃癌術後の1例

演者 近藤 知大(KKR斗南病院 外科)
共同演者 奥芝 俊一(KKR斗南病院 外科), 佐藤 理(KKR斗南病院 外科), 大場 光信(KKR斗南病院 外科), 森 綾乃(KKR斗南病院 外科), 岩城 久留美(KKR斗南病院 外科), 加藤 航司(KKR斗南病院 外科), 山本 和幸(KKR斗南病院 外科), 境 剛志(KKR斗南病院 外科), 小野田 貴信(KKR斗南病院 外科), 鈴木 善法(KKR斗南病院 外科), 川田 将也(KKR斗南病院 外科), 川原田 陽(KKR斗南病院 外科), 北城 秀司(KKR斗南病院 外科), 大久保 哲之(KKR斗南病院 外科), 加藤 紘之(KKR斗南病院 外科)
抄録 胃癌術後、約1年経過した時点で脾腫瘍を認め、診断的治療目的の腹腔鏡下脾摘術が有用であった1例を経験したので報告する。症例は66才、男性。近医で胃癌を指摘され、手術目的に当院紹介。精査で幽門側小彎前壁に腫瘍を認め、生検で、por, sig。画像上リンパ節転移なし。腹腔鏡下胃幽門側切除術(D2廓清)施行した。病理診断はpT3(SS),N0,M0,P0,CY0,pStage2A。術後経過は良好で合併症なく退院。術後は化学療法施行せずに外来にて経過観察していた。術後CEA10前後の高値で推移したため、慎重にフォローしていたが、約1年後のCTで脾腫瘍を認めた。PETで脾腫瘍のみ陽性で他の領域に新たな病変は認めなかった。胃癌の脾転移を疑い、脾単発転移、病期4として胃癌の化学療法を考慮したが、本人の手術による脾摘出の希望も強く、脾腫瘍の確定診断のために診断的治療目的として腹腔鏡下残胃摘出、脾摘、ルーワイ空腸による再建を施行した。術後経過良好で術後12日目に退院した。病理結果は胃癌の転移ではなく、Diffuse large B cell lymphomaであった。現在、血液内科で化学療法施行中である。胃癌術後に脾腫瘍を認めた場合には胃癌再発以外の可能性を考慮し、診断的治療目的の腹腔鏡下脾摘出術による確定診断が有用であったので文献的考察を加えて報告する。
索引用語 腹腔鏡下脾摘術, 胃癌術後