セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 切除例からみた分枝型IPMNの悪性化に関わる因子 |
演者 | 金 俊文(手稲渓仁会病院 消化器病センター) |
共同演者 | 真口 宏介(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 小山内 学(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 高橋 邦幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 潟沼 朗生(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 矢根 圭(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 高木 亮(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 松本 和幸(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 権 勉成(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 松森 知昭(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 友成 暁子(手稲渓仁会病院 消化器病センター) |
抄録 | 【目的】分枝型IPMN切除例の臨床・病理学的所見をretrospectiveに検討し、悪性化に関わる因子を明らかにする。 【対象】2013年5月までに当センターで診療した分枝型IPMN782例中、切除を行った91例(12%、外科手術 89、剖検 2)を対象とし、IPMN国際診療ガイドライン2012に応じ、良性としてlow/intermediate grade dysplasia(LD)とhigh grade(HD)をD群、悪性としてminimal invasive carcinoma(MC)とinvasive(IC)をC群に分類した。年齢中央値は63(51-78)歳、男女比は53 : 38、主腫瘍部位はPh 51(56%)、Pb 32(35%)、Pt 8(9%)。尚、当センターの分枝型IPMNの手術適応は原則として結節径≧6mmとしている。 【検討項目】1.病理診断、2.患者背景と病変部位、3.拡張分枝径・主膵管径・結節高/径(浸潤部を含む)、4.予後 【結果】1.D群は77例(85%)であり、LD 40(polypoid(P)型 20、non-polypoid(NP)型 20)、HD 37(P型 34、NP型 3)、C群は14例(15%)であり、MC 7(P型 5、NP型 2)、IC 7(P型 6、NP型 1)であった。旧分類では腺腫(LD) 40(44%)、腺癌 (HD+MC+IC) 51(56%)であった。2.年齢、男女比、病変部位は両群間で有意差を認めなかった。3.拡張分枝径中央値はD群 29mm(10-90)/C群 30(20-60)、主膵管径はD群 7mm(2-30)/C群 7(2-20)、結節径はD群 7mm(0-50)/C群 11(0-28)であった。ROC解析によるD/C群を区別する至適cutoff値は拡張分枝径 29mm、主膵管径 6mm、結節径 12mmであり、結節径のみに有意差を認めた(感度 50%、特異度 78%、p=0.046)。一方、LCとHD+MCを区別する結節高のcutoff値は7mmであった(感度 68%、特異度 80%、p<0.0001)。4.中央値 3.8年(0.1-14.3)の観察期間中8例(9%)に再発を認め、内訳はD群 7(LD 3、HD 4)、C群 1(MC)であり、再発形式は残膵再発 7、腹膜播種 1であった。残膵再発には外科切除 5、化学療法 1、経過観察 1を施行し、全例生存中である。腹膜播種例(LD)は腹腔内穿破を伴っており、切除1.2年後に原病死した。 【結論】C群は切除例の15%にすぎず、invasive carcinomaを悪性とした場合の悪性化に関わる因子は結節径12mm以上であった。術後再発を8例に認めたが、うち7例はD群であり、悪性の定義に問題があると考える。 |
索引用語 | IPMN, 悪性化 |