セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル

神経内分泌腫瘍との鑑別にEUS-FNAが有用であった十二指腸消化管間質腫瘍(GIST)の1例

演者 池田 裕貴(伊達赤十字病院 消化器科)
共同演者 久居 弘幸(伊達赤十字病院 消化器科), 小柴 裕(伊達赤十字病院 消化器科), 宮崎 悦(伊達赤十字病院 内科), 前田 喜晴(伊達赤十字病院 外科), 佐藤 正文(伊達赤十字病院 外科), 川崎 亮輔(伊達赤十字病院 外科), 行部 洋(伊達赤十字病院 外科), 上野 峰(伊達赤十字病院 外科), 在原 洋平(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 平子 匡(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座)
抄録 十二指腸消化管間質腫瘍 (GIST)は全GISTの3-5%の発生頻度であり、比較的まれな疾患である。今回、十二指腸の神経内分泌腫瘍との鑑別に際し、EUS-FNAが有用であったGISTの1切除例を経験したので報告する。症例は55歳、女性。平成6年甲状腺癌 (乳頭癌)手術。術後当院外科に通院中、平成24年6月のスクリーニングのCTで膵頭部近傍に辺縁に著明な造影効果示す20mm大の低吸収値腫瘤を認めたため、当科紹介となった。上部消化管内視鏡検査では十二指腸下行脚に粘膜下腫瘍様病変を認め、EUSでは筋層と連続する類円形の一部に無エコー域を伴う低エコー腫瘤として描出された。確定診断目的に22G針 (Expect、Boston scientific)を用いてEUS-FNAを施行し、組織診では紡錘形細胞集塊を認め、免疫染色にてc-kit陽性、α-SMA陽性、vimentin陽性、CD34一部陽性、desmin陰性、S-100陰性でありGISTと考えられた。隣接臓器への明らかな浸潤や遠隔転移を認めなかったため、同年11月に当院外科で十二指腸部分切除術が施行された。病理組織学的には腫瘍径は23mm、異型の乏しい核を持つ紡錘形細胞が多数の血管増生を伴って、細胞密度低く束状に錯綜しており、腫瘍壊死は認めなかった。免疫染色では、c-kit陽性、α-SMA陽性、vimentin陽性、CD34陰性、desmin陰性、S-100陰性、MIB-1 index 1%であり、GISTと診断した。核分裂像<5/50HPF (G1)で転移リスク分類 (Miettinen)では低リスク、T2N0M0、Stage I (UICC-TNM)であった。現在まで術後7か月が経過しているが、無再発生存中である。
索引用語 十二指腸GIST, EUS-FNA