セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル

Helicobacter pylori陰性胃癌の1例

演者 赤松 幸(NTT東日本札幌病院 消化器内科)
共同演者 吉井 新二(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 清水 佐知子(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 川本 泰之(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 羽場 真(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 横山 朗子(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 赤倉 伸亮(NTT東日本札幌病院 消化器内科), 間部 克裕(北海道大学病院 光学医療診療部), 加藤 元嗣(北海道大学病院 光学医療診療部), 坂本 直哉(北海道大学大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野)
抄録 【症例】50歳代,男性.IgA腎症のため当院受診.スクリーニング目的の上部消化管内視鏡検査にて,胃角小彎にびらん性病変を認めた.胃粘膜に萎縮を認めず,胃癌を疑う蚕食像も認めなかった為,内視鏡所見から胃癌は疑えなかったが,生検にてgroup5, signet-ring cell carcinomaの所見であった.病変のsizeが小さいことと患者の希望から,total biopsyとして内視鏡的粘膜下層剥離術を施行した.病理組織学的所見は0-IIa+IIc,17×8mm,sig/por2,SM2(750μm),ly0,v1,HM0,VM0であった為,腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行し癌の遺残は認めなかった.H.pylori除菌歴はなく,治療前の迅速ウレアーゼ試験,尿素呼気試験,血清H.pylori IgG抗体はいずれも陰性であった.病理組織所見でも背景の胃粘膜に萎縮を認めず,H.pylori陰性胃癌と考えられた.【考察】H.pylori陰性胃癌は全胃癌の約1%と報告されており稀な病態である.しかし,近年,H.pylori感染率が低下していることから,今後,このような症例が増加すると考えられる為,若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 胃癌, Helicobacter pylori