セッション情報 シンポジウム1 「消化管疾患における画像診断の進歩」

タイトル

小腸疾患における画像診断の進歩

演者 佐々木 清貴(北海道消化器科病院)
共同演者 加藤 貴司(北海道消化器科病院), 木下 幸寿(北海道消化器科病院), 藤澤 良樹(北海道消化器科病院), 町田 卓郎(北海道消化器科病院), 碇 修二(北海道消化器科病院), 中村 英明(北海道消化器科病院), 加賀谷 英俊(北海道消化器科病院), 目黒 高志(北海道消化器科病院), 堀田 彰一(北海道消化器科病院)
抄録 <はじめに>2003年DBEにより、小腸疾患診療に大きな進歩がもたらされ、これまで診断困難とされてきた疾患をより早期の治療に導くことができるようになった。更に2007年VCEがOGIBに適応となり、出血性疾患をより低侵襲に精査することができるようになった。2012年よりPatency capsuleが承認されVCEの非OGIBへの適応拡大となり、IBDなどもVCEにて精査できるようになった。小腸検査の需要が拡大するなかで、小腸検査における現況と今後の課題につき検討をおこなった。<対象と方法>2003年より当院にて小腸内視鏡検査(DBE,VCE)を施行された862例につき検討をおこなった<結果>当院にて2003年~2012年小腸内視鏡検査はDBE500例、VCE362例の862例に施行された。VCEにおいては約60%がOGIB、約40%が非OGIBに対する精査にて、それぞれ約40%の診断率であった。1例の滞留例を除き、明らかな合併症は認めず、低侵襲に小腸疾患の一次精査を施行することができた。一方、DBEにおいては小腸疾患の確定診断、内視鏡治療に際して施行している。その診断率は72%と高く、腫瘍性病変における術前診断や、出血性病変に対する診断および止血処置などの内視鏡的治療を施行しえた。現在はVCEによる一次精査、DBEによる確定診断を基本としているが、積極的に検査を導入することにより、多くの症例に病変の早期診断が可能となり、疾患予後の改善を認めることができた。<結論>DBE、VCEにおける小腸画像診断にて小腸疾患診療は飛躍的な進歩をとげた。また、次世代カプセル内視鏡など、より高性能な機器の開発に更なる診療の進歩が期待されている。現在は限られた施設での小腸内視鏡検査であることから今後病診連携なども考慮する必要があると考えられる。
索引用語 DBE, VCE