セッション情報 一般演題

タイトル

カプセル内視鏡適応拡大後のPatency Capsuleの安全性、臨床的効果に関する検討

演者 久保 智洋(国立病院機構北海道がんセンター 消化器内科)
共同演者 佐川 保(国立病院機構北海道がんセンター 消化器内科), 佐藤 康裕(国立病院機構北海道がんセンター 消化器内科), 中村 とき子(国立病院機構北海道がんセンター 消化器内科), 藤川 幸司(国立病院機構北海道がんセンター 消化器内科), 高橋 康雄(国立病院機構北海道がんセンター 消化器内科)
抄録 【背景】小腸用カプセル内視鏡(CE)は2007年10月に本邦で保険承認されたが、臨床病像(腹部X線検査、腹部超音波検査)、病歴や手術歴、臨床所見などで消化管の閉塞、狭窄、瘻孔が既知又は疑われる症例は滞留の可能性があるため原則禁忌とされていた。この滞留を回避するために事前に消化管開通性を評価するPatency Capsuleが2012年7月に保険承認された。【目的】当院におけるPatency Capsuleの使用状況、対象症例やその背景および臨床的効果について検討する。【対象】当院においてPatency Capsuleを施行した12症例【結果】男/女 7例/5例、CE前腹部症状:腹痛3例、腹部膨満2例、腹部腫瘤4例、下痢1例、下血・血便6例、腹部症状なし3例、腹部手術歴あり/なし 2例/10例、腹部放射線照射歴あり/なし 4例/8例であった。パテンシーカプセル開通性あり/なし 10例/2例、開通性なしの2例はいずれもイレウスを発症した。1例はイレウス管挿入し、ガストロ造影にて狭窄部を確認した。もう1例では胃管挿入した。パテンシーカプセルにて開通性の確認された1症例でも臨床的には無症状であったもののCE滞留を認めた。【結論】Patency Capsuleは狭窄が疑われる患者がCE検査を安全に施行かどうかを確認するのに有用かつ非侵襲性なツールであると考えられた。しかし、パテンシーカプセル自体でもイレウスを発症することがあり、消化管狭窄が疑われる患者に対しては臨床症状、他のmodalityによる事前評価も重要であると考えられた。
索引用語 カプセル内視鏡, パテンシーカプセル