セッション情報 一般演題

タイトル

当院におけるmalignant gastric outlet obstruction (mGOO)に対する緩和治療の検討

演者 大和 弘明(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科)
共同演者 山梨 香菜(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 木下 賢治(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 山本 桂子(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 小川 浩司(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 畑中 一映(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 山本 義也(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 成瀬 宏仁(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 原 豊(市立函館病院 消化器病センター 消化器外科), 倉内 宣明(市立函館病院 消化器病センター 消化器外科), 遠山 茂(市立函館病院 消化器病センター 消化器外科)
抄録 【背景】malignant gastric outlet obstruction (mGOO)に対する緩和治療は,これまで胃空腸バイパス術が施行されてきた.一方で,2010年4月,内視鏡的十二指腸ステント留置術が保険収載され,施行する機会が増加した.【目的】mGOOに対する緩和治療を検討する.【対象と方法】当院で2010年4月~2013年3月の期間,胃幽門~十二指腸の範囲に狭窄を有するmGOOに対し,胃空腸バイパス術(バイパス術),または十二指腸ステント留置術(ステント術)を施行した31例:バイパス術19例(男性10 /女性9),ステント術12例のべ15回(男性7 /女性5,うち3例にstent in stentを追加).年齢中央値:64歳(49~87),73.5歳(50~84).1)原疾患(胃癌 /胆道癌 /膵臓癌 /その他),2)原病診断から治療までの期間,3)Performance status (PS),4)手技時間,5)経口摂取再開率,6)Gastric Outlet Obstruction Scoring System:GOOSSスコア,7)術後の食事開始日数,8)食事可能日数,9)術後生存期間,10)術後発生イベント を検討した(バイパス術,ステント術.中央値表記).【結果】1)原疾患:3/3/6/7,4/2/4/2.2)原病診断から治療までの期間:233日(5~1836),147日(3~681).3)PS:2(1~4),3(1~4).4)手技時間(分):179分(69~362),16.5分(2~34.5).5)経口摂取再開率:100%,100%.6)GOOSSスコア:3(1~3),3(1~3).7)術後の食事開始日数:4日(1~14),3日(1~11).8)食事可能日数:45日(7~439),53日(10~251).9)術後生存期間:109.5日(28~800),87日(17~484).10)術後発生イベント:縫合不全2/吻合部狭窄1,ステント閉塞5(stent in stent後の再閉塞でバイパス術追加1)/急性膵炎1.【まとめ】ステント術はバイパス術と比較し,手技時間短縮が得られ,PS,食事内容,食事可能日数,術後生存期間はほぼ同等であった.しかし,追加治療を要した症例もみられ,原疾患の病態や予後を踏まえた上で,両者を使い分ける必要があると考えられた.
索引用語 胃空腸バイパス術, 十二指腸ステント