セッション情報 一般演題

タイトル

当院におけるReduced Port Surgeryへのとりくみ

演者 服部 優宏(札幌北楡病院 外科)
共同演者 三野 和宏(札幌北楡病院 外科), 後藤 順一(札幌北楡病院 外科), 土橋 誠一郎(札幌北楡病院 外科), 飯田 潤一(札幌北楡病院 外科), 堀江 卓(札幌北楡病院 外科), 小野寺 和彦(札幌北楡病院 外科), 古井 秀典(札幌北楡病院 外科), 玉置 透(札幌北楡病院 外科), 久木田 和丘(札幌北楡病院 外科), 目黒 順一(札幌北楡病院 外科), 米川 元樹(札幌北楡病院 外科)
抄録 【はじめに】消化器外科領域における内視鏡外科手術の浸透と技術向上により、患者への侵襲をさらに縮小することを目的としてReduced Port Surgery(RPS)が普及してきている。当院でも2010年から腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)と腹腔鏡下結腸直腸切除術(LACR)でRPSを導入している。当院における腹腔鏡手術とRPS導入後の現状について報告する。【対象と方法】2010年1月から2012年12月まで当院における開腹移行例を除いたLCとLACRについて検討した。LCの従来法(LC-4P)は4-5ポートで行い、LCのRPS(LC-RPS)はSILSポートあるいはEZアクセス(70mm)を装着し5mmポート3本で行い、状況により心窩部に1本5mmポートを追加した。LACRの従来法(LACR-5P)は4-5ポートで行い、そのうちの一つを4cmの小切開で行った。LACRのRPS(LACR-RPS)は臍部にEZアクセス(100mm)を装着し5mmポート3本で行い、状況により片側あるいは両側下腹部に1-2本の5-12mmポートを追加した。【結果】LC 205例のうちLC-4Pは121例で、LC-RPSは84例であった。それぞれ平均年齢は62歳vs.60歳(N.S.)、平均手術時間は93分vs. 90分(N.S.)、術後平均在院日数は8日vs.5日(p<0.01)であった。LACR 90例のうちLACR-5Pは54例で、LACR-RPSは36例であった。それぞれ平均年齢は66歳vs.64歳(N.S.)、平均手術時間は273分vs.224分(p<0.05)、術後平均在院日数は20日vs.15日(N.S.)であった。【まとめ】RPSは導入後の期間が短いため、症例の適応、術式選択や癌症例の長期予後などでは開腹症例との比較も考えると課題も多い。しかし、RPSは整容性にも優れ、従来法の腹腔鏡下手術と比べて手術時間、在院日数などでは遜色なく行えた。標準治療の一つになり得ると考えられた。
索引用語 内視鏡外科手術, Reduced Port Surgery