セッション情報 一般演題

タイトル

切除不能中下部悪性胆道狭窄に対するcovered self-expandable metallic stent の開存期間とその危険因子についての検討

演者 阿部 容子(北海道大学病院 消化器内科)
共同演者 河上 洋(北海道大学病院 消化器内科), 桑谷 将城(北海道大学病院 消化器内科), 川久保 和道(北海道大学病院 消化器内科), 久保 公利(北海道大学病院 消化器内科), 工藤 大樹(北海道大学病院 消化器内科), 坂本 直哉(北海道大学病院 消化器内科)
抄録 【背景】切除不能悪性中下部胆道狭窄に対する胆道ドレナージ術はtumor ingrowth 予防の観点からcovered self-expandable metallic stent (CSEMS) が多く用いられる.【対象と方法】2005 年 10 月から 2013 年 4 月まで当科で切除不能悪性中下部胆道狭窄に対して CSEMS を留置した140 例について,ステントの開存期間と閉塞期間の危険因子について,後方視的に検討した.なお,140 例は全例でCSEMS下端を十二指腸内に留置した.【結果】疾患内訳は膵癌 105 例,胆管癌 17 例,その他 18 例,平均年齢は 66 歳 (11-90歳),男女比は 84:56であった.留置したCSEMSを留置時期別に,Wall stent・ComVi stent を“前期群”, Wallflex stent・Supremo を“後期群”と分類すると,“前期群”35 例,“後期群”105 例であった.十二指腸乳頭部から胆管狭窄部までの距離 (中央値) は 30.8mm であった.CSEMSの閉塞や胆管炎を発症した例は 26 例 (18.5%) で,その内訳は“前期群”42.9%,“後期群”10.8% であった.閉塞や胆管炎の原因は,食残による閉塞8例,overgrowth 8 例,胆泥閉塞4 例,非閉塞による胆管炎3 例,migration 3 例であった.胆管炎やステント閉塞に至るまでの期間 (中央値) は 535 日であった.多変量解析では,“前期群”留置例と (Hazard ratio 3.36 [95%CI: 1.53-7.58], P=0.003),十二指腸乳頭部から胆管狭窄部までの距離が長い例 (2.3 [1.02-5.51], P=0.045) がCSEMS閉塞の危険因子であった.【結語】切除不能悪性中下部胆道狭窄に対するCSEMS留置の際には,“前期群のCSEMSの選択”と“十二指腸乳頭部から胆管狭窄部までの距離”に留意すべきである.
索引用語 ステント, 胆管