セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル

緩和目的の大腸ステント留置後に化学療法を行った進行直腸癌の1例

演者 住川 拓哉(旭川厚生病院 消化器科)
共同演者 後藤 充(旭川厚生病院 消化器科), 高橋 慶太郎(旭川厚生病院 消化器科), 河本 徹(旭川厚生病院 消化器科), 藤永 明裕(旭川厚生病院 消化器科), 立花 靖大(旭川厚生病院 消化器科), 佐藤 智信(旭川厚生病院 消化器科), 柳川 伸幸(旭川厚生病院 消化器科), 斎藤 義徳(旭川厚生病院 消化器科), 折居 裕(旭川厚生病院 消化器科), 柴田 好(旭川厚生病院 消化器科)
抄録 【症例】60歳代、女性【主訴】体重減少、腹部膨満、不正出血【現病歴】前述の主訴で2013年1月近医産婦人科を受診した。多量の腹水と卵巣腫瘍を認めて当院産婦人科に紹介入院した。消化管精査目的に大腸内視鏡を施行したところ、直腸Rsに全周性2型進行癌(well-diff. adenocarcinoma EGFR陰性 KRAS変異あり)を認めた。内視鏡が通過できない狭窄を呈していた。CTでは多発肝転移、肺転移を認めた。進行直腸癌、癌性腹膜炎、卵巣転移、多発する肝および肺転移と診断した。PS3であった。緩和目的に大腸ステントを留置し、腹水ドレナージを行った。経口摂取が可能となりPS2に回復した。十分に説明したうえで化学療法(FOLFOX)を開始した。Grade2までの嘔気は出現したが、2コース終了時には腹水はドレナージを要しない程度まで減量した。ステントに関わる合併症なく6コースまで入院で行った。腹水が減量したので外科手術による原発巣切除(人工肛門造設術)が可能と判断したが、患者本人は選択しなかった。7コース目以降は外来で化学療法を継続している。ステント留置後の化学療法についてはベバシズマブ併用例での穿孔の報告例があり、安全性や有用性については明らかではない。これまでのところステント留置後の合併症なく化学療法が奏功している1例を経験した。若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 大腸ステント, 化学療法