セッション情報 一般演題

タイトル

悪性十二指腸狭窄に対し留置した胃十二指腸用ステントが断裂した1例

演者 秋山 剛英(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科)
共同演者 本間 久登(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科DELIMITER札幌共立医院 消化器内科), 高橋 稔(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科), 大井 雅夫(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科), 土居 忠(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科), 田中 信悟(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科DELIMITER札幌医科大学 第四内科), 古川 勝久(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科), 森井 一裕(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科), 平田 健一郎(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科), 女澤 愼一(札幌共立医院 消化器内科), 竹内 幹也(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター外科)
抄録 今回我々は、膵癌により十二指腸閉塞をきたした症例に対し、胃十二指腸用ステントを留置後、そのステントが断裂した1例を経験したので報告する。【症例】62歳、女性。2011年8月、腹痛・黄疸を主訴に前医を受診し、膵頭部癌Stage IVbと診断された。その後、さらなる加療を目的に同年9月21日当科紹介となった。当科で膵周囲動脈塞栓術(TPPAE)を施行後、動注化学療法を開始した。外来で動注化学療法を継続中の2012年12月、食思不振の精査目的に当科入院となった。腹部CT所見から、膵頭部癌の十二指腸浸潤に起因する悪性十二指腸狭窄と診断した。上部消化管内視鏡検査および消化管造影の結果、十二指腸水平脚に高度狭窄を認めた。患者は経口摂取再開を強く希望した一方で、外科的バイパス手術を望まなかったため、胃十二指腸ステント留置による治療を選択した。2013年1月15日、胃十二指腸用ステント(Non-covered type) を同狭窄部に留置した。術中・術後合併症を認めず、ステント留置2日後には流動食の摂取を開始した。最終的に潰瘍5分粥食を問題なく摂取可能となり、患者は1月31日に退院となった。その後、同年3月の腹部CTで、留置した胃十二指腸用ステントが断裂していることが判明した。幸いなことにステント断裂による消化管出血・穿孔・腹痛等の合併症を認めなかった。患者は癌性腹膜炎の増悪により4月4日に永眠された。消化管ステント留置後にステントが断裂した一例を経験したので報告する。
索引用語 膵癌, 胃十二指腸ステント