セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル

超音波内視鏡ガイド下ドレナージ術が有用であった肝門部化膿性リンパ節炎の1例

演者 横山 翔大(苫小牧市立病院 消化器内科)
共同演者 江藤 和範(苫小牧市立病院 消化器内科), 小林 智絵(苫小牧市立病院 消化器内科), 小西 康平(苫小牧市立病院 消化器内科), 山本 文泰(苫小牧市立病院 消化器内科)
抄録 症例は84歳 男性.急性胆嚢炎の診断で前医入院.絶食・抗生剤治療にて一時改善するも,炎症反応再燃を認め,胆嚢近傍に膿瘍形成疑われたため当科紹介入院となった.入院時現症では,体温38度と発熱を認め,右季肋部から心窩部にかけて圧痛を認めた.血液検査所見では,炎症反応に加え,軽度の肝胆道系酵素異常を認めた.腹部超音波検査では,胆嚢の著明な腫大を認め,胆嚢頸部近傍には胆嚢とは非連続性の膿瘍形成が疑われた.腹部造影CT検査では,胆嚢の著名な緊満とその近傍の肝門部リンパ節の膿瘍形成がみられ,総胆管の圧排狭窄を認め,肝内胆管の軽度拡張を伴っていた.これらの検査結果より,急性胆嚢炎を契機に発症した肝門部化膿性リンパ節炎と診断した.保存的加療に不応であること,急性胆嚢炎の遷延も疑われたことから,PTGBDを施行したが発熱や炎症反応の改善はえられなかった.そのため,肝門部化膿性リンパ節炎に対して超音波内視鏡ガイド下ドレナージ術を施行した.ドレナージ術後は速やかに炎症反応改善を認めた.近年超音波内視鏡下ドレナージ術が広く普及してきており,その有用性が各種報告されている.そんな中,胆嚢炎を契機に発症した肝門部化膿性リンパ節炎に対して超音波内視鏡ガイド下ドレナージ術が有用であった1例を経験した.認知力の低下のみられる高齢者に対し,一期的な内外瘻チューブ留置を行うことにより有用であるとともに安全に施行可能であった.
索引用語 超音波内視鏡下ドレナージ術, 化膿性リンパ節炎