セッション情報 |
シンポジウム2 「肝胆膵疾患における画像診断の進歩」
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タイトル |
一般病院の内科における肝胆膵領域へのEUS-FNAの導入~地域における新規診断モダリティの導入の成果と今後~
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演者 |
小野寺 学(網走厚生病院 内科消化器科) |
共同演者 |
松田 可奈(網走厚生病院 内科消化器科), 藤田 弘之(網走厚生病院 内科消化器科), 川岸 直樹(網走厚生病院 内科消化器科), 阿部 暢彦(網走厚生病院 内科消化器科), 長 いく弥(網走厚生病院 内科消化器科), 内田 多久實(網走厚生病院 内科消化器科), 藤永 明(網走厚生病院 内科消化器科), 宮城島 拓人(釧路労災病院 内科) |
抄録 |
【背景】近年EUS-FNAが普及し,地方でも施行されるようになってきた.私は2010年5月から2病院(2010年度;釧路,2012年度;網走)でEUS-FNAの導入を経験した.【目的】一般病院の内科における肝胆膵領域へのEUS-FNAの導入の現状と結果を報告し,地域におけるEUS-FNAの意義を検討すること.【対象と方法】対象は2010年5月から2013年5月までにEUS-FNAを施行した100病変(釧路53病変,網走47病変)中の肝胆膵領域と周囲を穿刺した46症例51病変とした. EUS-FNAは胃または十二指腸からコンベックス内視鏡で観察可能な病変を穿刺した.検討項目1)部位2)平均最大径3)平均穿刺回数4)細胞/組織採取率4)正診率(EUS-FNAで診断不能例は,他の手技もしくは経過観察後の診断による)5)転帰 について,レトロスペクティブに検討した.【結果】1)部位:膵病変38(膵頭部26,膵体尾部12) (74.5%),副腎5(9.8%),腹腔内リンパ節5(No12:3,No16:2)(9.8%),肝3(5.9%),2)平均最大径:膵病変28.7mm,副腎29.5mm,腹腔内リンパ節16.5mm,肝16.1mm,3)穿刺回数:膵病変3.0回,副腎病変3.0回,腹腔内リンパ節3.2回,肝3.0回,4)細胞/組織採取率:膵病変100/97.4%,副腎病変,腹腔内リンパ節,肝,100/100%,5)正診率:膵病変89%(膵癌31,転移性膵腫瘍3,漿液性嚢胞腫瘍1,膵内分泌腫瘍1,膵SPN1,AIP1),副腎病変80%(転移性副腎腫瘍3(肺癌2悪性リンパ腫1),腺腫1,神経鞘腫1),腹腔内リンパ節100%(転移性病変(胆嚢癌2膵癌1膵癌再発1炎症性腫大1),肝100%(膵癌転移性腫瘍3),6)転帰:化学療法25例,手術15(自院11,他院4)例, BSC4例,経過観察2例【考案/結語】約2年間の2病院での導入であったが,両病院ともに導入初期から検査件数も多く,診断能も良好であった.地域病院への新規診断モダリティの導入により地元での早期診断が可能となり,迅速に地域内で手術や加療へとつなげられた.今後は診断能の向上を目指した学習と術者の育成も含めた教育の継続が必要である. |
索引用語 |
EUS-FNA, 肝胆膵 |