セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル

胆嚢癌との鑑別に苦慮した底部型胆嚢腺筋症の1切除例

演者 木井 修平(釧路労災病院 外科)
共同演者 小笠原 和弘(釧路労災病院 外科), 島田 慎吾(釧路労災病院 外科), 小柳 要(釧路労災病院 外科), 徳渕 浩(釧路労災病院 外科), 小林 篤寿(釧路労災病院 外科), 河合 朋昭(釧路労災病院 外科), 小林 清二(釧路労災病院 外科), 草野 満夫(釧路労災病院 外科)
抄録 <演題>胆嚢癌との鑑別に苦慮した底部型胆嚢腺筋症の1切除例<抄録>【はじめに】胆嚢腺筋症は胆嚢壁肥厚を呈する良性疾患の一つであり、その診断として画像的にcomet like echo、pearl neckless signなどとしてRokitansky-Aschoff sinusおよび壁内結石を描出できれば診断は比較的容易である。しかし、典型的な画像所見を示さず、胆嚢癌との鑑別が困難な症例では診断的治療として胆嚢摘出術を要することもある。今回、我々は術前に胆嚢癌との鑑別に苦慮したため、手術を施行した底部型胆嚢腺筋症の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。【症例】61歳、女性。一ヶ月前から右季肋部の違和感を自覚し、前医を受診した。腹部造影CTで胆嚢に一部造影効果を有する腫瘤を認めたため、精査加療目的に当院内科を紹介受診した。精査にて胆嚢腺筋症が疑われたが、胆嚢癌を否定できず、当科紹介となった。術中所見で胆嚢底部に腫瘤を触知したため、胆嚢摘出術および肝部分切除術を施行した。術中迅速診断を施行した結果、底部型胆嚢腺筋症の診断で手術を終了した。術後経過は良好で第9病日に退院した。また、永久標本でも底部型胆嚢腺筋症の診断であった。【考察】胆嚢腺筋症は日常臨床でよく見られる疾患であるが、一部は典型的な画像所見を示さず、悪性が否定できなければ外科的治療を要することもある。本症例では臨床症状を伴う胆嚢腺筋症を第一に考えたが、悪性の可能性も否定できないため、手術を施行した。近年では胆嚢腺筋症と胆嚢癌の関連および合併例についての報告も散見され、悪性が否定できなければ積極的切除も考慮すべきと考えられた。
索引用語 底部型胆嚢腺筋症, 胆嚢癌