セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 膵上皮内癌の1例 |
演者 | 平子 匡(伊達赤十字病院 消化器科) |
共同演者 | 久居 弘幸(伊達赤十字病院 消化器科), 小柴 裕(伊達赤十字病院 消化器科), 宮崎 悦(伊達赤十字病院 内科), 前田 喜晴(伊達赤十字病院 外科), 佐藤 正文(伊達赤十字病院 外科), 川崎 亮輔(伊達赤十字病院 外科), 行部 洋(伊達赤十字病院 外科), 上野 峰(伊達赤十字病院 外科), 池田 裕貴(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 在原 洋平(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座) |
抄録 | 浸潤性膵管癌の予後は不良であり、膵癌の早期診断、早期治療の観点から膵上皮内癌が注目されているが、上皮内癌の報告例はいまだ少ないのが現状である。今回、急性胆嚢炎加療中に主膵管拡張を契機として発見された膵上皮内癌の1例を経験したので報告する。 症例は81歳、男性。糖尿病、高血圧、虚血性心疾患で前医通院中、平成25年3月下旬に上腹部痛、発熱あり、精査加療目的に当科紹介入院。入院時検査ではWBC 14200 /μl、CRP 33.27 mg/dlであり、USおよびCT所見より胆嚢結石による急性胆嚢炎 (中等症)と診断し、経皮経肝胆嚢ドレナージを施行し症状は改善した (後日総胆管結石に対しEST截石)。入院時に施行したCTで尾部の主膵管拡張を認めたが腫瘤像はなく、MRCPでは体部主膵管の約5cmにわたる狭窄と周囲の小嚢胞、その尾側の主膵管拡張を認めた。EUSでは膵管狭窄部周囲は低エコーを呈していた。ERCPではMRCP同様、体部主膵管の限局性狭窄像を認め、膵液細胞診および同部位の擦過細胞診ではclass V (腺癌)であった。 以上より膵体部癌 (T1N0M0、c Stage 0)と診断し、4月に当院外科にて膵体尾部切除および胆摘を行った。病理組織所見では膵体部の主膵管と一部の分枝膵管において約6cmにわたり異型上皮が低乳頭状に増殖する上皮内癌を認め、膵切除断端陽性であり、主膵管周囲の膵実質は随伴性膵炎と考えられる線維化とリンパ球浸潤、小葉の萎縮を伴っていた。その尾側拡張主膵管は反応性過形成を示していた。 |
索引用語 | 膵, 上皮内癌 |