セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル

初老期になり診断された先天性食道気管支瘻の1例

演者 太田 勝久(独立行政法人 国立病院機構 旭川医療センター 消化器内科)
共同演者 斉藤 裕樹(独立行政法人 国立病院機構 旭川医療センター 消化器内科), 辻 賢(独立行政法人 国立病院機構 旭川医療センター 消化器内科), 横浜 吏郎(独立行政法人 国立病院機構 旭川医療センター 消化器内科), 安尾 和裕(独立行政法人 国立病院機構 旭川医療センター 消化器内科), 松本 学也(独立行政法人 国立病院機構 旭川医療センター 消化器内科), 平野 史倫(独立行政法人 国立病院機構 旭川医療センター 消化器内科), 西村 英夫(独立行政法人 国立病院機構 旭川医療センター 消化器内科), 前田 敦(独立行政法人 国立病院機構 旭川医療センター 外科), 青木 裕之(独立行政法人 国立病院機構 旭川医療センター 外科)
抄録 症例は60歳代女性。6歳時に髄膜炎と肺結核の既往あり。幼少期から発熱、咳嗽、胸痛がしばしばあり、38歳頃から咳嗽時に飲食物が混じることを自覚していたが、その症状で20年以上受診することなく経過していた。平成23年11月に四肢の痺れと脱力感で他医を受診し、胸椎MRIを施行したところ、縦隔に異常所見を認めたため、平成23年12月に当院紹介初診。胸部CTを施行したところ、中部食道に憩室を疑う所見を認めた。上部消化管内視鏡検査にて切歯から25cmの3時方向に瘻孔形成があり、瘻孔内を約1cm内視鏡を進めたら、気管支と考える管腔構造を確認できた。食道造影では中部食道に径1cmの瘻孔形成を認め、立位から徐々にシャツキー位にすることにより造影剤が右気管支内に流入することが確認できた。食道気管支瘻の診断となり、その後も頻回に咳嗽、発熱が見られたため、平成24年6月に当院外科で瘻孔切除術が施行された。中部食道にて分岐し、気管支側に伸びる食道壁を確認し、瘻孔を切除した。病理組織所見は重層扁平上皮、粘膜筋板、粘膜下層、筋層が存在する食道組織であり、先天性食道気管支瘻の最終診断となった。術後経過はほぼ良好で飲食時の咳嗽反射は消失し、術後第20病日で退院となった。今回比較的まれな疾患を経験したので、文献的考察を加え報告する。
索引用語 先天性食道気管支瘻, 食道憩室