セッション情報 一般演題

タイトル

総胆管結石症に対するendoscopic papillary large balloon dilatation (EPLBD)の治療成績

演者 久居 弘幸(伊達赤十字病院 消化器科)
共同演者 平子 匡(伊達赤十字病院 消化器科), 小柴 裕(伊達赤十字病院 消化器科), 宮崎 悦(伊達赤十字病院 内科), 前田 喜晴(伊達赤十字病院 外科), 佐藤 正文(伊達赤十字病院 外科), 川崎 亮輔(伊達赤十字病院 外科), 行部 洋(伊達赤十字病院 外科), 上野 峰(伊達赤十字病院 外科), 在原 洋平(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 池田 裕貴(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座)
抄録 【目的】総胆管結石症に対するendoscopic papillary large balloon dilatation(EPLBD)の有用性と安全性について検討した。
【方法】対象は平成21年4月~平成25年5月にEPLBDにより截石術を施行した総胆管結石症36例 (年齢58~94歳、平均81歳、男性12例、女性19例)。EPLBDはCREバルーン(Boston Scientific)またはGigaバルーン(Century Medical)を使用し、原則EST (小~中切開)施行翌日以降で胆管炎・膵炎症状改善後に施行した。バルーン径 (10~15mm)は胆管径・結石径を参考に基本的にwaistが消失するまで拡張し、拡張時間は60秒までとした。初回EST施行からの施行時期は0~6570日(中央値8日)、観察期間は22~1516日(中央値493日)であった。検討項目は1)患者背景、2)治療成績、3)偶発症とした。
【成績】1)再建腸管 (B-II 1例、Roux-en Y 1例)、傍乳頭憩室21例 (58%)、有胆嚢28例 (78%)、有胆嚢結石17例 (47%)、胆管径11.5~26 (平均17.2)mm、結石最大径11.5~26 (平均15.7)mm、結石数2個以上29例 (81%)、抗血栓例内服2例 (6%)、寝たきり5例 (14%)、PEG造設例2例 (6%)、ASA grade (I/II/III/IV)は5/16/10/5であった。2)初回の截石所要時間は26~72分 (中央値44分)、EMLは18例 (50%)に併用した。截石回数は1回19例 (53%)、2回12例 (33%)、4回1例で、同一入院期間内の截石成功例は32例 (89%)で、不成功の4例は内視鏡的胆管ドレナージを施行し(3例は結石が縮小し後日截石)、最終截石成功率は97% (35/36)であった3)早期偶発症では高アミラーゼ血症1例、術中出血2例、後出血(重症)1例、胆管炎(軽症)1例に認めた。後期偶発症は無石胆嚢炎1例 (PTGBD施行)、結石再発4例(11.1%、1例は重症胆管炎で死亡)であった。
【結論】EPLBDは有用で安全な手技であるが、結石再発を含めた長期予後についてはさらなる検討を要する。
索引用語 総胆管結石症, endoscopic papillary large balloon dilatation