セッション情報 一般演題

タイトル

サルコイドーシスの診断にけるEUS-FNAの有用性

演者 久居 弘幸(伊達赤十字病院 消化器科)
共同演者 平子 匡(伊達赤十字病院 消化器科), 小柴 裕(伊達赤十字病院 消化器科), 宮崎 悦(伊達赤十字病院 内科), 在原 洋平(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 池田 裕貴(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座)
抄録 サルコイドーシスは非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を特徴とする原因不明の全身性疾患であるが、典型的でない場合、診断に苦慮することが少なくない。また、近年、原因不明の腫大リンパ節に対する超音波内視鏡下穿刺吸引術 (EUS-FNA)による診断は臨床の場において重要な役割を担っている。今回、縦隔リンパ節に対するEUS-FNAでサルコイドーシスの診断が可能であった3例を経験したので報告する。
【症例1】74歳、男性。平成14年11月より特発性間質性肺炎で当院呼吸器科通院中、平成18年6月のCTおよびEUSで両側肺門リンパ節の軽度の腫大を認めた。【症例2】80歳、女性。平成25年1月に食欲不振、全身倦怠感あり当院内科受診。高カルシウム血症および腎機能障害、上部消化管内視鏡検査で胃体部に多発性潰瘍、CTで両側肺門リンパ節の軽度の腫大を認めた。【症例3】68歳、女性。平成17年9月に飛蚊症あり当院眼科で眼サルコイドーシスに矛盾しないと診断され、CTで縦隔リンパ節の軽度腫大を認めていたが、当院および他院呼吸器科でもさらなる精査は行われなかった。便秘症で通院中、平成25年1月に血清アミラーゼ値の上昇あり、CTで膵頭部の分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍および縦隔・腹部リンパ節腫大を認めた。
全ての症例でサルコイドーシスを疑い、縦隔リンパ節に対して、22G針を用いてEUS-FNAを施行し、病理学的に類上皮細胞肉芽腫を証明することができ、Stage I サルコイドーシスと診断可能であった。手技にともなう偶発症は認めなかった。サルコイドーシスの確定診断法として、EUS-FNAは有用であると考えられた。
索引用語 サルコイドーシス, EUS-FNA