セッション情報 | 一般演題(研修医(卒後2年迄)) |
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タイトル | 十二指腸転移を合併した高度進行胃癌の二症例 |
演者 | 萩原 光(日鋼記念病院消化器センター) |
共同演者 | 佐藤 雄太(日鋼記念病院消化器センター), 神山 勇太(日鋼記念病院消化器センター), 根間 洋明(日鋼記念病院消化器センター), 横山 和典(日鋼記念病院消化器センター), 藤岡 保範(日鋼記念病院消化器センター) |
抄録 | 十二指腸転移をきたす癌腫は肺癌、腎癌、乳癌、悪性黒色腫などが報告され、胃癌での報告は検索し得た過去20年間で4例のみである。今回我々は、十二指腸球部および下行脚に非連続性の転移病巣を認めた高度進行胃癌を2例経験したので報告する。症例1は73歳、女性。4ヶ月前から間歇的な心窩部痛を自覚して当科に受診した。EGDでは胃角部全壁に一部健常粘膜で立ち上がる5cm大の2型病変を認めた。内部は易出血の腫瘍性病変で、生検で腺癌(tub 2とpor)と診断された。また、十二指腸球部の前壁に3cm大で白色顆粒状の小結節が集簇する平皿状病変を認め、非連続性に後壁にも同様な病変を認めた。生検で十二指腸粘膜固有層にリンパ管浸潤を認め、胃癌と同様の組織型であった。CTでは膵管拡張を伴う膵頭部腫大、腹膜播種、大動脈周囲リンパ節腫大を認め、PETでも同様な所見でstage IV胃癌と診断した。全身的化学療法を施行した。症例2は77歳、女性。胃部不快感で当科に紹介受診した。EGDで胃角を中心に胃壁の進展不良を伴う広範な3型病変を認めた。前庭部には白色調でチューブ状の形態を呈する隆起性病変が錯綜していた。原発巣の、隆起性病変からの生検は腺癌(porとsig)であった。また、十二指腸前壁には20mm大の発赤をともなう不整形の平坦病変と十二指腸下行脚の乳頭近傍に10mm大の発赤をともなう結節状病変を認めた。生検は固有筋層に浸潤するporで、リンパ管浸潤をともなっていた。CTでは肝十二指腸間膜や大動脈周囲の多数のリンパ節腫大、腹膜播種を認め、PETでも同様な所見でstage IV胃癌と診断した。全身的化学療法を検討していたが、腹水と急速な黄疸の進行を認めたために治療を断念して、緩和ケア科に転科して治療をおこなった。固形癌の消化管転移は一般に粘膜下腫瘍形態を呈することが多いと報告されている。胃癌の十二指腸転移はまれな病態であり、症例1の内視鏡所見はリンパ行性転移を示唆するものと思われた。 |
索引用語 | 胃癌, 十二指腸転移 |