セッション情報 シンポジウム4(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

胃がん検診の理想的な住み分け:新しい検診方式を目指して

タイトル 消S4-9:

第3次対がん総合戦略研究事業「ピロリ菌感染率減少時代における新しい対策型胃がん検診システム構築の検証に必要なプロトコール作成と実現可能性に関する研究(GALAPAGOSS研究)」

演者 後藤田 卓志(東京医大・消化器内科DELIMITER第3次対がん総合戦略研究事業)
共同演者
抄録 【目的】対策型胃がん検診である「X線検査」(バリウム検診群)と、「ピロリ菌抗体+ペプシノゲン測定・内視鏡検査」(胃がんリスク検診群)を比較するため、秋田県由利本荘市の協力を得て無作為割付試験(UMIN試験ID:UMIN000005962)を開始している。2年間の症例登録期間の初年度が終了したため、研究の紹介と進捗状況を報告する。【方法】対策型胃がん検診受診者で、適格条件を満たした研究参加同意者に対して最小化法により(層別化因子:性別と年齢;30-59歳と60-74歳)バリウム検診群と胃がんリスク検診群に割り付ける。両群ともにピロリ菌抗体+ペプシノゲン測定にて4つの亜群に分類し、割付の妥当性を評価する。バリウム群は通常の逐年対策型胃がん検診を、胃がんリスク検診群は亜群に従った内視鏡検査を登録後6年間行う。主エンドポイントは、検査費用(総額から検査1例あたりの平均値の比較、胃がん1例を発見するのに要した費用)、初回登録時における両群間の胃がん検出率、副エンドポイントは、観察期間内における両群の胃がん発見率とその進行度、検査終了時(6年目)の内視鏡検査における胃がん発見率とその進行度、各群における偶発症、両群間の死亡率減少効果の比較、である。なお、研究参加時に食事・生活習慣アンケートを行う。【成績】登録初年度で参加呼びかけ数2263名、参加同意931名、参加拒否1332名で同意率は42%であった。【結論】無作為割付試験では順調に参加者が集積されている。データ管理費や科研費の継続性が問題ではあるが、本試験が完遂できれば、限られた資源を集中的に投資するピロリ菌感染率減少時代における新しい対策型胃がん検診システムの提唱が可能となると考える。
索引用語 対策型胃がん検診, 無作為割付試験