セッション情報 | 一般演題(研修医(卒後2年迄)) |
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タイトル | 十二指腸狭窄を契機に診断されたクローン病の1例 |
演者 | 奥田 洋輝(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座) |
共同演者 | 一色 裕之(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 福田 昴一郎(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 赤保内 正和(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 村上 佳世(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 小野寺 馨(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 斉藤 真由子(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 山下 健太郎(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 有村 佳昭(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 篠村 恭久(札幌医科大学 消化器・免疫・リウマチ内科学講座), 信岡 隆幸(札幌医科大学 消化器・総合,乳腺・内分泌外科学講座), 平田 公一(札幌医科大学 消化器・総合,乳腺・内分泌外科学講座) |
抄録 | 症例は22歳,男性.2012年12月上旬より嘔気・嘔吐が出現し,同月中旬前医受診し、上部消化管内視鏡検査に十二指腸狭窄を指摘された.入院のうえ絶食,PPI投与にて治療を行うも狭窄は改善せず,2013年1月下旬悪性腫瘍による十二指腸狭窄の疑いにて精査加療目的に当院転院となった.上部消化管造影検査では胃から十二指腸への造影剤の流出は認められず,上部消化管内視鏡検査では十二指腸球部から上十二指腸角にかけて粘膜の浮腫性変化と狭窄が認められ,同部位の生検組織より非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が認められた.下部消化管内視鏡検査では終末回腸にびらん・小潰瘍と直腸・回盲弁にびらんが認められ,生検組織からは同様に類上皮肉芽腫が認められた.小腸造影検査では狭窄や潰瘍等の異常所見は認められなかった.以上よりクローン病による狭窄の可能性が高いと考え,Infliximabの投与を行ったが、症状および内視鏡上,十二指腸狭窄の改善は認められなかった.このため同月下旬,当院第一外科にて幽門側胃切除術+十二指腸切除術が施行された.病理組織では狭窄部位に潰瘍および肉芽腫を認め,10mm大の異所性膵を認めたが,そのほか特記すべき所見はなく、クローン病とそれによる十二指腸狭窄と診断した.クローン病では十二指腸のアフタ・びらんなどの微小病変は比較的多く認められるが,狭窄による治療が必要となるものは0.5~5%程度とされる.多くは原病の経過中に出現し十二指腸狭窄症状が初発症状となることは稀であり,我々が検索しえた限りではこれまで十数例の報告しかなく,文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 | クローン病, 十二指腸狭窄 |