セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル

一般地方病院でのESD研修~ESD初学者の成績を中心に~

演者 松田 可奈(網走厚生病院 内科・消化器科)
共同演者 小野寺 学(網走厚生病院 内科・消化器科), 藤田 弘之(網走厚生病院 内科・消化器科), 川岸 直樹(網走厚生病院 内科・消化器科), 阿部 暢彦(網走厚生病院 内科・消化器科), 内田 多久實(網走厚生病院 内科・消化器科), 藤永 明(網走厚生病院 内科・消化器科), 佐野 逸紀(市立稚内病院)
抄録 【目的】当院は若手(11年目以下)が中心に内視鏡関連手技を行い,ESDを専門に行う医師が不在の地方病院である.我々が赴任した2011年4月から胃腫瘍性病変に対してESDを積極的に導入し,年々症例数は増加傾向である.ESD初学者の2年間における治療成績について検討を行った.【対象・方法】H23年4月からH25年5月までに施行したESD症例77例.施行医は5名.それぞれ13-19例のESDを行った.ESD手技の経験のある2名(9,11年目)をA群,ESD初学者3名(4,6年目)をB群とし,治療成績(術時間,切除標本径,治癒切除率,一括切除率,手技の完遂率)の比較検討を行った.術者の当院における経験症例数の1~7例目までを「前半」,8例目以降を「後半」とし,経験症例数(前半と後半)および領域(L領域とMU領域)に分けて検討を行った.【結果】症例数:A群30例(L領域 16例,MU領域 14例);B群で47例(L領域 35例,MU領域 12例).平均切除時間 A群70.9分;B群 55.1分,平均標本径 A群34.5×28.6mm;B群27.7×22.3mm,治癒切除率A群83.3%;B群97.7%,一括切除率A群93.3%;B群97.9%であった. 経験症例数および部位別に検討を行うとA,B両群ともに全領域で後半において術時間の短縮を認め,特にB群において後半の治療時間が有意に短縮していた.B群のL領域の後半の治療時間は有意差を持って大幅に短縮している一方,MU領域の治療時間に有意差は認めないことがわかった.また,B群の完遂率は前半66.7%から後半93.6%と上昇していた.【結論】後期研修医における施行でも十分な切除率であり,合併症等もなく安全に施行し得た.しかし,現在は症例を限定しているため,今後はより困難な部位へ対応できる技術を習得していく必要があると考える.
索引用語 胃腫瘍, ESD