セッション情報 |
シンポジウム2 「肝胆膵疾患における画像診断の進歩」
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タイトル |
超音波内視鏡によるmicrocystic componentを有する膵嚢胞性病変に対する診断能
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演者 |
林 毅(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座) |
共同演者 |
石渡 裕俊(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 小野 道洋(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座), 加藤 淳二(札幌医科大学 腫瘍・血液内科学講座) |
抄録 |
【背景・目的】Serous cystic neoplasms (SCN) の悪性化は極めてまれであり、他の膵嚢胞性腫瘍と異なり切除する必要性はほとんどない。したがって、方針決定において発見時に確定診断することの意義は大きい。前向き研究による詳細な検討はないが、一般にEndoscopic ultrasound (EUS) によるmicrocystic component (MCC) の描出がSCNの特異的所見とされており、その診断能について検討した。【方法】2010年6月から2012年年8月までの内視鏡データベースからEUSでMCCを有し、かつ病理学的に確定診断のついた膵嚢胞性病変を抽出し解析した。【結果】19例が同定され、年齢中央値(range): 72 (51-82) 歳、男女比: 6/13、症状有/無: 4/15、辺縁形態 分葉/類円: 17/2、占拠部位 h/b/t: 7/7/5、病変の最大長径中央値: 32 (17-59) mm、MCCの占拠状態 全体/部分: 2/17、MCC最大長径: 18 (8-32) mm、中心石灰化: 2例、中心瘢痕: 0例、dynamic CTによるMCC濃染: 2例、主膵管最大径: 4 (2-6) mmであった。14例でEUS-FNA (fine needle aspiration)検体、5例でEUS-FNAと外科的切除検体の両者によって病理学的確定診断がなされていた。最終診断はSCN (嚢胞内容液: 漿液性、立方上皮から構成され、α-inhibin陽性、MUC 5AC: 陰性)が8例、胃型IPMN (嚢胞内容液:粘液性、円柱上皮から構成され、α-inhibin: 陰性、MUC 1/2/5AC: 陰性/陰性/陽性) が11例であり、IPMNのうち2例は上皮内癌を含んでいた。【結論】膵嚢胞性病変の鑑別診断において、EUSによるMCCの描出はSCNを示唆するが、胃型IPMNでも同様の所見が得られ特異的所見とは言い難い。EUS-FNAなど他検査の追加で確定診断を得るべきである。 |
索引用語 |
microcystic, EUS |