セッション情報 一般演題

タイトル

当院における胆道癌の治療成績

演者 志谷 真啓(札幌医科大学第一内科)
共同演者 松永 康孝(札幌医科大学第一内科), 本谷 雅代(札幌医科大学第一内科), 高木 秀安(札幌医科大学第一内科), 小野 道洋(札幌医科大学第4内科), 石渡  裕俊(札幌医科大学第4内科), 林 毅(札幌医科大学第4内科), 石井 雅之(札幌医科大学第一外科), 木村 康利(札幌医科大学第一外科), 廣川 直樹(札幌医科大学放射線科), 佐々木 茂(札幌医科大学第一内科), 坂田 耕一(札幌医科大学放射線科), 加藤 淳二(札幌医科大学第4内科), 平田 公一(札幌医科大学第一外科), 篠村 恭久(札幌医科大学第一内科)
抄録 <目的>当院における胆道癌治療の成績データを解析し、他施設からの既報と比較検討する<対象と方法>2004年から2013年までに当院で治療を受けた胆道癌199例中、データ集計可能であった183例(男性114、女性69例;年齢中央値69歳)について治療成績を後方視的に検討した。<結果>内訳は病期別に、乳頭部癌1/2/3/4a/4b期:5例(26.3%)/2例(10.5%) /3例(15.7%)/5例(26.3%)/4例(21.0%)、胆管癌14例(14.4%) / 23例(23.7%) / 20例(20.6%)/ 25例(25.7%)/15例(15.4)%胆嚢癌 7例(10.4%) /7例(10.4%) /3例(4.4%)/14例(20.8%) /36例(53.7%)であった。切除は111例で、原発別の切除症例数/切除率/治癒切除率は、乳頭部癌16例/84.2%/81.2% 胆管癌69例/ 71.1% / 76.0% 胆嚢癌26例 / 38.8% / 96.0%であった。非切除72例の治療内訳は、全身化学療法40.2%,化学放射線療法12.5%,動注化学療法40.2%,best supportive care;BSC 5.5%であった。胆道癌全症例183例の生存期間中央値(MST)は1226日、5年生存率は34.2%で、原発別に分けた5年生存率は、乳頭部癌 / 胆管癌 / 胆嚢癌の順に68.3% / 41.0% / 34.3%であり、MSTは、乳頭部癌 / 胆管癌 / 胆嚢癌の順に、N/D(中央値なし) / 1386 / 696日の結果であった。183症例を切除例(111例)と非切除例(72例)で大別したMST/ 5年生存率はそれぞれND/ 58.5% 、349日/ 0.0%となった。切除例のうち治癒切除となった91例は、5年生存率65.9%、対する非治癒切除例(20例)では21.4%であった。原発部位と治療内容で分けたMST・生存率は、乳頭部/ 胆管/ 胆嚢の順に切除例ND/1386/ND 日、5年生存率 80.7/ 41.1/ 90.2%非切除例444 /511/338 日、3年生存率0/ 21.8/14.4% となった。非切除例の治療別MSTは全身化学療法/ 化学放射線療法/ 動注化学療法/ BSCの順に 433 / 349 / 381 /346 日 であった。<結語>原発の部位と病期によって選択される治療法に多少の特色がみられたものの、治療成績は既報のものと大きな差は見られなかった。解析結果に若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 胆道癌, 治療成績