セッション情報 一般演題

タイトル

リュープロレリンの投与によりHBVの再活性化を来したと考えられた1例

演者 東 直樹(札幌徳洲会病院 消化器内科)
共同演者 福田 一寿(札幌徳洲会病院 消化器内科), 佐藤 康永(札幌徳洲会病院 消化器内科), 関山 伸男(札幌徳洲会病院 消化器内科), 岡村 毅與志(札幌徳洲会病院 消化器内科)
抄録  近年、多様な抗ガン剤やステロイドを含む化学療法でHBVの再活性化が知られている。今回、LH-RHアゴニストであるリュープロレリン酢酸塩の投与によりHBVの再活性化した症例を経験したので報告する。 症例は72歳男性。平成21年から前立腺癌でリュープロレリンを投与されていた。平成20年から当院で検診を受けており、平成20年3月、平成22年4月、平成23年3月の健康診断でHBs抗原・HBs抗体は陰性であった。平成24年11月上旬の検診でALTは18 IU/lと低値で、HBs抗体は陰性であったが、HBs抗原価が250以上と陽性を示していた。平成24年11月中旬から全身倦怠感を自覚し、12月4日当院内科外来受診し、HBsAg≧250 IU/ml, HBsAb陰性, HBeAg 233.8 S/CO, HBeAb陰性, HBcAb 12.2 S/CO, HBV-DNA 8.9 log copy/, HBVgenotype C, 総ビリルビン 2.8mg/dl, AST 1076 IU/l, ALT 1743 IU/l, LDH 610 IU/l, ALP 1511 IU/l, γGTP 375 IU/lと肝機能障害を認めた。HBsAg陽性、HBeAg陽性、HBV-DNA陽性のため、HBVの再活性化と判断した。さらに肝機能障害の増悪と黄疸を呈したため、12月14日入院となった。補液・SNMC・抗ウイルス剤(entecavir)の投与で徐々に肝機能障害が改善し、平成24年12月27日退院となった。抗ウイルス剤投与直後の肝生検はA3F1であった。現在、退院後6ヶ月経って、総ビリルビン 1.1mg/dl, AST 18 IU/I, ALTは13 IU/lと改善している。
索引用語 B型肝炎, リュープロレリン