セッション情報 一般演題

タイトル

当センターにおける経口腸管洗浄剤モビプレップの使用経験

演者 北岡 慶介(小樽掖済会病院 消化器病センター)
共同演者 小松 悠弥(小樽掖済会病院 消化器病センター), 高梨 訓博(小樽掖済会病院 消化器病センター), 和賀 永里子(小樽掖済会病院 消化器病センター), 藤田 朋紀(小樽掖済会病院 消化器病センター), 勝木 伸一(小樽掖済会病院 消化器病センター)
抄録 【目的】現在,下部消化管内視鏡検査を行うにあたり,前処置として腸管洗浄剤による洗浄を実施することが一般的である.しかし従来品においては2~4リットルの洗浄剤服用が必要であり,被験者にとって多大な負担となっている.平成25年6月に発売となった経口腸管洗浄剤モビプレップは腸管洗浄効果や電解質のバランス維持が従来品と同等であり,服用量や服用に要する時間は少ないとされている.今回当センターでは院内倫理委員会の承認を得た上でモビプレップを試験的に導入し,その洗浄効果を従来品と比較検討した.併せて被験者に対してアンケート調査も実施しており,その結果について報告する.【対象】平成25年3月15日から同月27日の期間において,当センターで下部消化管内視鏡検査を実施された66例.【方法】66例をモビプレップ服用群20例と従来品服用群46例に無作為に割り付けた.それぞれの群において服用した洗浄剤の量・洗浄に要する時間を計測した.内視鏡検査担当医は上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸それぞれの部位の洗浄度を5段階で判定した.被験者にはアンケート用紙を配布し,味・飲みやすさ・次回検査時の洗浄剤の選択について調査した.【結果】モビプレップ服用群において1例の脱落があり65例の結果を検討した.服用した洗浄剤の量についてはモビプレップ服用群の方が有意に少なかった.洗浄に要する時間および洗浄効果については両群間に差を認めず同等であった.味については従来品服用群の方がやや好ましい回答が多かったものの,飲みやすさについては両群間に差は認められなかった.次回検査時の洗浄剤の選択については,両群ともに「次回も同じ物を使用したい」が最多であり差はなかった.【結論】今回の調査では,モビプレップは腸管洗浄において,従来品とほぼ同等の洗浄効果および認容性であり,より少ない服用量で検査が可能であった.モビプレップは被験者の負担軽減のための有効な選択肢となりうると思われた.
索引用語 下部消化管内視鏡検査, 経口腸管洗浄剤