セッション情報 シンポジウム1 「消化管疾患における画像診断の進歩」

タイトル

カプセル内視鏡の更なる診断能の向上を目指して-FICE・Blue modeの活用法-

演者 大須賀 崇裕(札幌医科大学病院 血液・腫瘍内科)
共同演者 佐藤 康史(札幌医科大学病院 血液・腫瘍内科), 平川 昌宏(札幌医科大学病院 血液・腫瘍内科), 大沼 啓之(札幌医科大学病院 血液・腫瘍内科), 二階堂 ともみ(札幌医科大学病院 血液・腫瘍内科), 櫻田 晃(札幌医科大学病院 血液・腫瘍内科), 嘉成 悠介(札幌医科大学病院 血液・腫瘍内科), 林 毅(札幌医科大学病院 血液・腫瘍内科), 佐藤 勉(札幌医科大学病院 血液・腫瘍内科), 宮西 浩嗣(札幌医科大学病院 血液・腫瘍内科), 瀧本 理修(札幌医科大学病院 血液・腫瘍内科), 小船 雅義(札幌医科大学病院 血液・腫瘍内科), 加藤 淳二(札幌医科大学病院 血液・腫瘍内科)
抄録 【目的】カプセル内視鏡(CE)は、2012年7月より小腸疾患が既知又は疑われる患者全てに適応が拡大され、小腸のスタンダードな検査法として確立してきているものの、その診断能はいまだ十分なものとはいえない。これまでFICEやBlue Modeといった画像強調システムを用いた、診断能の向上が試みられているものの、その至適モードや活用法については一定の見解は得られておらず、更なる検討が必要と考えられる。そこで当科におけるCE施行症例につき、FICE・Blue modeを使用した際の、病変の視認性や検出能につき解析し、その活用法を明らかにすることを目的とした。【対象/方法】2009年1月から2013年5月までに当科でCEを施行した159例を対象とした。視認性については、それぞれの症例を3人の医師により解析し、FICE1/2/3/Blue Mode について通常観察を0点とし、+2点~-2点の間でスコアリングし比較検討した。また検出能については、上記対象のうちpillcam SB2を導入後の70例の中で、全小腸を観察し得た53例を、2人の医師により解析し、実際の病変検出数を通常画像と比較した。【結果】視認性については、血管性病変ではFICE1、2、Blue Modeにおいて有意にスコアの向上が得られた。また、びらん・潰瘍性病変では、FICE1、2を用いることで有意に視認性の向上が得られた。腫瘍性病変ではいずれのモードにおいても視認性の向上は認めなかった。検出能については、血管性病変ではFICE1、2において通常観察と比べ有意に向上が得られ、びらん・潰瘍性病変では、FICE2を用いることで有意に向上した。腫瘍性病変については、FICEやBlue Modeによる検出能の向上は得られなかった。【結語】血管性病変、びらん・潰瘍性病変についてはFICEを用いることで、診断能が向上する可能性が示唆された。今後、通常観察による見逃し病変の拾い上げや、初学者の病変検出率の向上におけるFICEの有用性につき、前向きな検討を予定している。
索引用語 カプセル内視鏡, FICE