セッション情報 一般演題

タイトル

当科における悪性大腸狭窄に対する大腸ステント6例の治療経験

演者 廣岡 映治(イムス富士見総合病院 外科)
共同演者 松山 秀樹(イムス富士見総合病院 外科), 福田 千文(イムス三芳総合病院), 岡本 史樹(イムス三芳総合病院), 伊藤 眞史(イムス富士見総合病院 外科), 佐藤 純(イムス富士見総合病院 外科)
抄録 【はじめに】悪性大腸狭窄に対する大腸ステント治療が2012年1月より保険適応となり諸学会においてその治療成績が報告されるようになった。当科も2012年4月より緩和治療の一貫としてまた手術までのBTS: brigde to surgeryを目的に大腸ステントを導入し2012年1月まで6例を経験した。【症例1】64歳、男性。平成18年11月他院でS状結腸癌にて手術。平成22年5月腹膜播種、肝転移、肺転移にてFOLFOX4施行されるもPDとなり吻合部狭窄によるイレウスを来したため緩和治療目的に25mm,9cmの大腸ステントを留置した。留置後82日目に永眠した。【症例2】77歳、男性。平成22年8月S状結腸癌にて手術。平成24年11月より局所リンパ節再発にてFOLFOX4を7コース施行するも吻合部再発による狭窄、肺転移を来たしたため25mm,9cmの大腸ステントを留置。留置後51日目に永眠した。【症例3】66歳、男性。 肺、肝に多発転移を伴う横行結腸脾弯曲部の全周性2型腫瘍を認め25mm,9cmの大腸ステントを留置。留置後13日目に横行結腸部分切除術を施行。現在mFOLFOX6を継続中。【症例4】83歳、男性。肺、肝に多発転移を伴う全周性S状結腸癌に対し緩和医療目的に22mm, 9cmの大腸ステントを留置。敗血症を併発し留置後7日目に永眠した。【症例5】49歳、女性。全周性狭窄を伴う下行結腸癌に対し22mm,9cmと22m,6cmの大腸ステントを留置。留置後8日目に結腸左半切除術を施行。現在mFOLFOX6を継続中。【症例6】74歳、男性。直腸Rs部に膀胱浸潤を伴う全周性3型腫瘍を認め22mm,6cmの大腸ステントを留置。留置後8日目で低位前方切除術、膀胱部分切除術を施行。現在5FU+LVを継続中。【まとめ】緩和医療として3例、BTSとして3例を経験した。全例でステント留置は成功したが1例は留置後早期に敗血症を来たしステントによる影響が示唆された。しかし5例はイレウス管による苦痛と人工肛門を回避でき患者QOLの向上に大きな役割を果たした。悪性大腸狭窄に対する大腸ステント治療は緩和治療のオプションとしてまたBTSとして非常に有効であり今後症例数の増加が見込まれる。
索引用語 悪性大腸狭窄, 大腸ステント