セッション情報 一般演題

タイトル

吐血で発症した胃Burkittリンパ腫

演者 中村 正弘(札幌しらかば台病院・消化器科)
共同演者 遠藤 高夫(札幌しらかば台病院・消化器科), 菊地 剛史(札幌しらかば台病院・消化器科), 秋野 公臣(札幌しらかば台病院・消化器科), 安達 靖代(札幌しらかば台病院・消化器科), 高橋 秀明(札幌しらかば台病院・消化器科), 吉田 幸成(札幌しらかば台病院・消化器科), 足立 靖(札幌しらかば台病院・消化器科), 原田 拓(札幌しらかば台病院・消化器科), 石井 良文(札幌しらかば台病院・病理), 石田 禎夫(札幌医大第1内科), 見田 裕章(札幌しらかば台病院・消化器科), 林 敏明(札幌医大第1内科)
抄録 胃悪性リンパ腫の中でもBurkittリンパ腫は極めて稀であり,かつ悪性度の高い腫瘍である.今回吐血で発症した症例を経験したので,本邦報告例と合わせ報告する.症例は61歳の女性,吐血を主訴に来院した.緊急内視鏡検査で胃体上部後壁に露出血管を伴う耳介状の潰瘍性病変を認め,クリップにて止血した.翌日の内視鏡検査で止血が確認されたが,さらに胃体部前壁にIIa+IIc病変と胃底部に粘膜下腫瘤様の隆起を認めた.EUSでは胃壁は著明に肥厚し,低エコー性の層構造を認めない充実性病変で深達度SSの悪性リンパ腫が示唆された.腹部CTでは乏血性の類円形の多発肝転移巣が認められた.胃の耳介状潰瘍ならびにIIa+IIc病変の生検で,small non-cleaved cellのびまん性増殖でphenotypeはCD3(-),CD10(+),CD20(+),bcl2(-)で,Ki-67 indexも高く,Burkittリンパ腫と診断された.なおEBV in-situ hybridizationは陰性でnon-African typeであった.札幌医大第1内科に転院し,多剤併用化学療法施行されたが,肺出血により死亡された.Burkittリンパ腫は小児領域では全リンパ腫の40%ほどであるが,成人では1%以下であり,胃原発Burkittリンパ腫の本邦報告例は10例と極めて少ない.小児では下顎・眼窩に急速に増大する腫瘤として発症するが,成人では腹部の巨大腫瘤として発見される事が多い.週単位で進行する高悪性度リンパ腫であり,更なる治療法の開発が望まれる.
索引用語 胃Burkittリンパ腫, 吐血