セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 胃・十二指腸病変を指標としたクローン病の診断能および診断一致率の検討 |
演者 | 坂谷 慧(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野) |
共同演者 | 藤谷 幹浩(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 嘉島 伸(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 内海 辰哉(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 佐々木 貴弘(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 田中 一之(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 堂腰 達矢(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 藤林 周吾(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 安藤 勝祥(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 上野 伸展(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 後藤 拓磨(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 笹島 順平(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 稲場 勇平(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 伊藤 貴博(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 盛一 健太郎(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 横田 欽一(慶友会 吉田病院), 高後 裕(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野) |
抄録 | 【目的】クローン病(CD)は全消化管に異常をきたす炎症性腸疾患であり、上部消化管にも多彩な病変を認める。我々は、CD患者の胃に高頻度に竹の節状外観が認められることを報告してきた。CDに特徴的な胃・十二指腸病変は厚生労働省研究班の診断基準の副所見として取り上げられている。しかし、各所見のCDに対する特異性や診断医間での再現性は明らかにされていない。本研究では、CDの胃・十二指腸病変を解析して各所見の診断能や再現性を明らかにする。【方法】1. 2010年4月-2012年12月に当科で上部消化管内視鏡検査を施行したCD患者81例、年齢・性別をマッチさせた他疾患患者81例,マッチしていない他疾患患者236例を対象として、胃・十二指腸病変の出現頻度およびこれらの病変を指標とした場合の診断能をプロスペクティブに検討した。2. CD患者81例の上部消化管内視鏡写真を 6人の内視鏡医に提示し、胃・十二指腸病変の有無について診断一致率を検討した。【成績】 1. CD群、マッチング群、非マッチング群における各所見の出現頻度は、胃竹の節状外観が63%、0%、0.8%、十二指腸ノッチ状外観11.1%、1.2%、0.8%、十二指腸びらん・潰瘍27.2%、8.6%、9.7%であり、CD群で有意に高かった。非マッチング群と比較した場合、胃竹の節状外観は感度63%、特異度99%、十二指腸ノッチ状外観は感度11%、特異度99%、十二指腸びらん・潰瘍は感度27%、特異度90%であった。また、胃竹の節状外観を認めた場合のCD罹患のオッズ比は198.9と高かった。2. ケンドール一致係数Wは、胃竹の節状外観が0.67と良好であり、十二指腸ノッチ状外観は0.56、十二指腸びらん・潰瘍は0.38であった。【結論】胃竹の節状外観は、CDに特徴的で、再現性も高い所見であった。上部消化管検査で本所見を認めた場合は、積極的にCDを疑い精査する必要がある。 |
索引用語 | クローン病, 上部消化管病変 |