セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル

脾摘後門脈血栓症・慢性DICにトロンボモジュリンアルファの長期投与が奏効した一例

演者 相馬 学(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野)
共同演者 澤田 康司(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 中嶋 駿介(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 前田 重明(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 阿部 真美(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 大竹 孝明(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 藤谷 幹浩(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 高後 裕(旭川医科大学 消化器・血液腫瘍制御内科学分野)
抄録 【症例】60歳代の女性。1989年の胃がん検診にてポリープを指摘され上部消化管内視鏡を施行したところ食道静脈瘤を指摘され当科紹介となった。以降当科に入院し、数回にわたり硬化療法を施行した。1992年の食道静脈瘤治療のために入院した際に、腹腔鏡検査を施行したが、肝硬変の所見を認めず、特発性門脈圧亢進症と診断され、以降当科外来フォローとなっていた。2006年のフォローのCTにて脾静脈瘤および脾静脈の一部に壁在血栓が認められ、定期的に外来で経過観察を行っていた。2012年3月のCTでは脾静脈瘤内血栓と胃静脈瘤の悪化を認めたため、同年6月に当院外科にて脾臓摘出術を施行。術後は門脈血栓症に対してヘパリン+ワーファリンによる抗凝固療法を施行した。しかし、血栓の著明な改善は認められず、FDP322.4μg/mlおよびD-dimer103.6μg/mlと上昇を認め、慢性DICと考えられた。そのため同年9月より門脈血栓および慢性DICに対して、トロンボモデュリンアルファ(TM)の投与を開始した。投与後、CT画像上血栓の縮小が認められ、FDP8.2μg/mlおよびD-dimer3.1μg/mlと改善が認められたため退院し、外来でTM25600単位の投与を週1回施行していた。しかし、FDPおよびD-dimerの再上昇が認められたため、再入院し、TM25600単位の連日投与で再治療し、以降外来にてTM25600単位の週2回投与とし、増悪なく経過している。【結語】脾摘後門脈血栓症・慢性DICに対してTMの長期投与が奏功している症例を経験したので多少の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 慢性DIC, トロンボモジュリンアルファ