セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 小腸出血性病変に対するダブルバルーン内視鏡下アルゴンプラズマ凝固止血術の長期予後 |
演者 | 大須賀 崇裕(札幌医科大学 腫瘍・血液内科) |
共同演者 | 佐藤 康史(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 平川 昌宏(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 大沼 啓之(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 二階堂 ともみ(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 井畑 荘詞(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 櫻田 晃(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 嘉成 悠介(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 林 毅(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 佐藤 勉(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 宮西 浩嗣(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 瀧本 理修(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 小船 雅義(札幌医科大学 腫瘍・血液内科), 加藤 淳二(札幌医科大学 腫瘍・血液内科) |
抄録 | 【背景】本邦において、小腸出血に対してダブルバルーン小腸内視鏡(DBE)下にアルゴンプラズマ凝固止血術(APC)による止血術が広く行われているが、その長期成績については不明である。【目的】当科での小腸出血性病変に対してDBE下にAPCにて止血を行った症例の長期成績を調査し、その有効性をあきらかにする。【対象と方法】2004年4月から2013年5月までに当科で行った504回のDBE施行症例のうち小腸出血性病変に対してAPCにて止血を行った23例を解析対象とし、その長期成績を検討した。【結果】観察期間中央値は16ヵ月(3-85ヶ月)であった。男性14例、女性9例。年齢の中央値は64歳(41-85歳)。Rendu-Osler-Weber syndrome症例が3例含まれていた。抗凝固薬・抗血小板薬投与中の症例は6例であった。APCを行った病変は、血管性病変が68%、びらん・潰瘍病変が27%、腫瘍性病変が5%であった。病変の部位は十二指腸水平脚に見られた症例が9%、空腸が64%、回腸が41%であった。APC前のヘモグロビン平均値は7.8 g/dLであり、APC後は9.2 g/dLであった(p<0.01)。輸血が必要な患者の割合はAPC前では50%であったが、APC後では24%であった。再出血率は25%であり、APCから再出血までの期間の中央値は29日(18-729日)であった。再出血を来たした患者も小腸病変については全ての症例で再度のAPCにて止血可能であった。小腸出血による死亡例はなく、合併症は遅発性穿孔が1例(4%)に見られた。【結語】当科での小腸出血性病変に対するAPCを用いた止血法の長期成績は良好であり、その有効性が示唆された。 |
索引用語 | ダブルバルーン小腸内視鏡, アルゴンプラズマ凝固止血術 |