| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | 胆汁瘻に対する経乳頭的ドレナージの有用性に関する検討 |
| 演者 | 小野 道洋（札幌医科大学 腫瘍・血液内科） |
| 共同演者 | 石渡 裕俊（札幌医科大学 腫瘍・血液内科）, 林 毅（札幌医科大学 腫瘍・血液内科）, 三浦 翔吾（札幌医科大学 腫瘍・血液内科）, 岡川 泰（札幌医科大学 腫瘍・血液内科）, 佐藤 勉（札幌医科大学 腫瘍・血液内科）, 宮西 浩嗣（札幌医科大学 腫瘍・血液内科）, 佐藤 康史（札幌医科大学 腫瘍・血液内科）, 瀧本 理修（札幌医科大学 腫瘍・血液内科）, 小船 雅義（札幌医科大学 腫瘍・血液内科）, 木村 康利（札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科）, 平田 公一（札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科）, 加藤 淳二（札幌医科大学 腫瘍・血液内科） |
| 抄録 | 【背景】肝切除や外傷により生じる胆汁瘻において、瘻孔閉鎖のためには胆汁ドレナージが必要であるが、経皮的ドレーンのみでは治療に難渋することがある。経乳頭的ドレナージが有効な場合があるが、症例集積研究は乏しい。【目的】胆汁瘻に対する経乳頭的ドレナージの有効性について検討する。【対象と方法】2006年4月～2013年5月に手術あるいは外傷により、胆管損傷あるいはBilomaを発症し、当科で経乳頭的アプローチで治療した16例（年齢中央値63歳（24～79）、男/女:9/7。肝切除14例（肝細胞癌8、転移性腫瘍4、交通外傷1、肝嚢胞1）、膵体尾部切除1例、交通外傷後胆管断裂1例）を対象とした。経乳頭的アプローチ後に追加処置を要さなかった場合を有効、要した場合を無効と定義し、1.ERCで確認し得た損傷胆管部位の内訳、2.初回内視鏡的ドレナージの内容、3.内視鏡的ドレナージの有効率、4.有効症例と無効症例の比較、5.追加処置内容と成績、について検討した。【結果】1.損傷胆管部位は56.3%(9/16)で同定可能で、前区域枝/B1/B3/B4/B8/胆嚢管：2/1/1/3/2/1であった(重複あり)。2.ENBD/EBD/胆管挿管不能：13/2/1であった。3.有効率は31.3%であった(有効/無効/評価不能：5/9/2)。4.有効症例は5例全例が損傷胆管を同定可能で、その近傍にドレナージチューブを留置可能であった。無効症例は経乳頭的チューブ留置が可能であった8例のうち6例は損傷胆管を同定できなかった。5.経皮及び経乳頭的処置併用で内瘻化が7例、経皮ドレーンからのエタノール洗浄1例、TAE1例であり、いずれも胆汁瘻は改善した。【考察】胆汁瘻症例において、ERCで責任胆管が同定可能であった症例には内視鏡的ドレナージが有用であることが示唆された。ERCで責任胆管が同定できない症例であっても、経皮処置との併用で生理的な胆汁排泄経路を再構築することが重要であることが示唆された。 |
| 索引用語 | 内視鏡治療, 胆汁瘻 |