セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 成因別に検討した肝細胞癌の年齢階層別特徴 |
演者 | 山本 義也(市立函館病院 消化病センター 消化器内科) |
共同演者 | 山梨 香菜(市立函館病院 消化病センター 消化器内科), 木下 賢治(市立函館病院 消化病センター 消化器内科), 大和 弘明(市立函館病院 消化病センター 消化器内科), 山本 桂子(市立函館病院 消化病センター 消化器内科), 小川 浩司(市立函館病院 消化病センター 消化器内科), 畑中 一映(市立函館病院 消化病センター 消化器内科), 成瀬 宏仁(市立函館病院 消化病センター 消化器内科) |
抄録 | 【背景・目的】肝細胞癌は、B型/C型/非B非C型といった成因の違いで臨床背景や経過が異なるとの報告が多い。肝癌患者の高齢化が問題となっている一方、比較的若くして肝癌を発症している症例も散見され、効率的な囲い込みができていないのが現状である。今回、肝細胞癌症例を成因別年齢階層別に検討したので報告する。【方法】当院で診療した肝癌464例を対象とし、HBs抗原陽性(HBV群)、HCV抗体陽性(HCV群)、また非B非C型肝癌をアルコール関連(ALD群)、NASH関連(NASH群)、成因不明肝癌(CR群)に分類し臨床的特徴を検討、更に成因別に肝癌好発年齢群と若年発症群を比較した。【成績】成因は、HBV/HCV/ALD/NASH/CR群で114/215/63/9/60例だった。発症年齢は60/69/66/73/72才、男性比は84/69/97/33/73%、肝硬変率は61/85/87/89/62%、血小板数は13.4/9.7/13.8/9.8/15.2×104/μl、診断時腫瘍径は52/26/32/38/42mmであった。HBV群について、好発年齢群(50~69才)86例と若年群(50才未満)14例を比較すると、男性比86/86%、肝硬変率63/50%、血小板数12.4/16.7×104/μlと若年群で肝予備能は保たれ、腫瘍径は51/60mmと若年群で進行していた。DM合併率、飲酒率に差はなかった。HCV群の好発群(60~79才)156例と若年群(60才未満)38例の比較では、男性比66/90%、肝硬変率83/95%、血小板数10.1/8.1×104/μlと若年群で男性の肝線維化進展例が多く、腫瘍径は26/24mmと同等であった。若年群で飲酒率が高かった。ALD群の好発群(60~79才)48例と若年群(60才未満)12例の比較では、肝硬変率85/100%、血小板数13.8/11.8×104/μlと若年群で肝線維化進展例が多く、腫瘍径は35/23mm、DM合併率は42/0%だった。【考案・結語】成因ごとに肝癌の臨床的特徴は異なっていた。年齢階層別では、若年発症においてHBV群では背景因子の特徴は見いだせなかった。HCV群では飲酒など増悪因子の存在が、またALD群では若年からの持続した多量飲酒が影響していると考えられた。肝癌囲い込みの効率化のために成因別年齢因子を加味した検討も有効と思われた。 |
索引用語 | 肝細胞癌, 成因別検討 |