セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 当院での重症潰瘍性大腸炎に対する治療の検討 |
演者 | 古川 滋(札幌東徳洲会病院 IBDセンター) |
共同演者 | 前本 篤男(札幌東徳洲会病院 IBDセンター), 折居 史佳(札幌東徳洲会病院 IBDセンター), 蘆田 知史(札幌東徳洲会病院 IBDセンター), 巽 亮二(札幌東徳洲会病院 消化器内科), 松原 悠(札幌東徳洲会病院 消化器内科), 坂本 淳(札幌東徳洲会病院 消化器内科), 好崎 浩司(札幌東徳洲会病院 消化器内科), 佐藤 龍(札幌東徳洲会病院 消化器内科), 木村 圭介(札幌東徳洲会病院 消化器内科), 網塚 久人(札幌東徳洲会病院 消化器内科), 太田 智之(札幌東徳洲会病院 消化器内科), 河野 透(札幌東徳洲会病院 外科), 北川 真吾(札幌東徳洲会病院 外科) |
抄録 | [目的]当科における重症潰瘍性大腸炎の治療経過と予後についてレトロスペクティブに検討する。[対象]H20年4月よりH25年5月までの期間において、重症潰瘍性大腸炎の基準を満たした27例について、患者背景、罹患範囲、治療内容、転帰、予後について検討する。[患者背景]潰瘍性大腸炎診断年齢は13-63(平均33.3)歳、重症潰瘍性大腸炎発症時年齢は14-64(平均34.9)歳。男性15例、女性11例。そのうち1例は2回重症診断基準を満たしている。[結果]重症化時点での罹患範囲は、全大腸炎型24例、左側大腸炎型3例であった。潰瘍性大腸炎と診断されてから重症化をきたすまでの期間は最長で11年1か月であり、診断時もしくは初診時重症例6例(22.2%)、診断時もしくは初診後1か月以内での重症化5例(18.5%)、1年以内での重症例5例(18.5%)であった。Cytomegalovirusが血中抗原もしくは組織から認められたものは4例であった。治療としてはステロイド投与25例、Infliximab投与6例、白血球除去療法2例、Tacrolimus投与を1例に行った。22例(81.5%)が退院時に軽症以下となり、3例(11.1%)は中等症で退院となり、2例(7.4%)が緊急手術となった。保存的治療で退院となった25例のうち、8例が1年以内に再入院となり、1例が待機的手術となった。12例はその後再入院なく外来治療を継続している。緊急手術を要した2例のうち1例はステロイド強力静注療法開始後の転院搬送症例であり、もう一例は心疾患に対する抗凝固剤・抗血小板剤を内服していた。[結語]生物製剤や免疫抑制剤の保険適応に伴って潰瘍性大腸炎に対する治療は選択肢が広がっている。しかしながら内科的治療に抵抗する例もまだ多く、時期を逃さない適切な治療が必要と思われた。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 重症 |