セッション情報 一般演題

タイトル

Simeprevir(TMC435)を用いた3剤併用療法の有効性と有害事象について

演者 中島 知明(札幌厚生病院 第三消化器内科)
共同演者 山口 将功(札幌厚生病院 第三消化器内科), 木村 睦海(札幌厚生病院 第三消化器内科), 荒川 智宏(札幌厚生病院 第三消化器内科), 桑田 靖昭(札幌厚生病院 第三消化器内科), 小関 至(札幌厚生病院 第三消化器内科), 佐藤 隆啓(札幌厚生病院 第三消化器内科), 大村 卓味(札幌厚生病院 第三消化器内科), 髭 修平(札幌厚生病院 第三消化器内科), 狩野 吉康(札幌厚生病院 第三消化器内科), 豊田 成司(札幌厚生病院 第三消化器内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対して第2世代のプロテアーゼ阻害剤であるsimeprevir(TMC435)を用いた3剤併用治療(TMC群)の有効性と有害事象発現について、PEG-IFN/RBV/telaprevir併用治療(TVR群)と比較検討を行う。
【方法】TMC群27例[男性13例、平均年齢56.4歳、IL28B TT 15例、ITPA CC 15例、coreアミノ酸70番(aa70)野性型 16例、初回治療12例、再燃8例、無効7例]、TVR群77例[男性45例、平均年齢56.8歳、IL28B TT 49例、ITPA CC 55例、aa70野性型 45例、初回治療30例、再燃36例、無効11例]を対象とした。Simeprevirは1日100mg(一部50mg)で12週間(一部24週間)投与、TVRは1日量1500mgあるいは2250mgを12週間投与した。ウイルス学的治療効果はSVR24(終了後24週時)で評価した。
【成績】SVR24の達成例は、TMC群24例(85.2%)、TVR群では判定可能59例中46例(78.0%)であった。前治療内容別では、TMC群、TVR群でそれぞれ、初回治療例 100%、87.5%、再燃例 87.5%、76.0%、無効例 57.1%、60.0%であった。開始用量に対する開始後12週間のPEG-IFN/RBV/protease inhibitor (PI;simeprevirあるいはTVR)の投与量率(%)は、TMC群の93.6/93.9/96.8に対してTVR群では90.4/52.7/78.8で、RBV減量およびPI減量はTVR群に高率であった(p<0.05)。治療開始後1/2/4/8/12週の開始時を0とした平均Hb低下量(g/dl)は、TMC群-0.1/-1.3/-1.8/-2.7/-2.8、TVR群-3.8/-3.3/-4.6/-4.3/-4.4(3週以降p<0.05)、同様に血小板低下量は、TMC群-3.4/-1.8/-2.0/-2.6/-3.0、TVR群-0.9/-1.2/-2.5/-3.6/-3.7(2週、4週でp<0.05)、平均血清クレアチニン上昇量 (mg/dl)は、TMC群-0.01/-0.03/-0.03/-0.02/-0.03、TVR群1.8/1.3/1.7/1.3/0.8(1週以降p<0.05)であり、TVR群で治療初期からのクレアチニン上昇、Hb・血小板低下の傾向を認めた。
【結論】Simeprevirによる3剤併用治療は、TVR群に比して腎障害やHb低下が軽度で、初期投与用量の持続投与が可能となり、抗ウイルス効果の向上を認めた。
索引用語 C型慢性肝炎, simeprevir