セッション情報 一般演題

タイトル

当科における悪性大腸狭窄に対する大腸ステントの使用経験

演者 杉山 隆治(市立旭川病院 消化器病センター)
共同演者 川内 宏仁(市立旭川病院 消化器病センター), 中村 和正(市立旭川病院 消化器病センター), 助川 隆士(市立旭川病院 消化器病センター), 小澤 賢一郎(市立旭川病院 消化器病センター), 千葉 篤(市立旭川病院 消化器病センター), 垂石 正樹(市立旭川病院 消化器病センター), 斉藤 裕輔(市立旭川病院 消化器病センター)
抄録 【はじめに】悪性大腸狭窄に対しては、これまで経肛門的イレウスチューブによる減圧や緊急手術を要することが多かった。最近、悪性大腸閉塞に対する大腸ステントの安全性や有効性の報告がみられるようになり、2012年1月から本邦でも保険適用となった。今回当センターで悪性大腸狭窄に対して施行された大腸用ステントの使用経験について報告する。【目的】悪性大腸狭窄に対するSelf-Expandable Metallic Stent(SEMS)留置術の有用性と安全性を検討する。【対象】悪性大腸狭窄に対して2012年1月から2013年6月まで当センターでSEMS留置術を試みた11例を対象に、臨床的背景、治療成績および偶発症について検討した。ステントはWallFLex Colonic stent(Boston Scientific社製)を使用した。【結果】施行目的は緩和治療目的が2例、Bridge to surgery(BTS) 9 例。原因疾患は大腸癌が10例、転移性大腸腫瘍による狭窄が1例であった。留置部位は直腸3例、SD2例、D/C3例、T/C3例であった。手技的成功率は100%(11例中11例)であった。偶発症はBTS症例で盲腸穿孔が1例あった。BTS症例は全例閉塞性大腸癌であった。ステント挿入後閉塞は全例改善。ステント挿入後手術までの日数は平均10(3-20)日であった。挿入後の大腸閉塞性スコアは2-4。局所深達度はSS4例、SE4例、SI1例であった。BTSの全例で一期的手術が可能であった。【考察】悪性大腸狭窄に対するSEMS留置術はBTS症例では従来の経肛門的イレウス管の処置が不要となり、また患者のQOLも改善し、術前に経口摂取可能で一時退院可能な症例もあり有用であると考えられた。
索引用語 大腸ステント, BTS