セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 悪性胃・十二指腸狭窄に対するステント治療の現状 |
演者 | 田中 一成(手稲渓仁会病院 消化器病センター) |
共同演者 | 三井 慎也(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 野村 昌史(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 田沼 徳真(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 栗原 弘義(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 浦出 伸治(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 木村 有志(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 真口 宏介(手稲渓仁会病院 消化器病センター) |
抄録 | 【背景】悪性腫瘍やリンパ節転移により胃・十二指腸狭窄を生じると、嘔吐、食思不振、腹部膨満感などが出現し、QOLが著しく低下する。2010年に悪性胃・十二指腸狭窄に対してステント留置術が保険収載され、以後同法はバイパス治療に代わり標準治療となりつつある。【目的】悪性胃・十二指腸狭窄に対するステント留置術の有用性について検討する。【対象】2010年8月から2013年1月までの期間に、悪性胃・十二指腸狭窄に対してself-expandable metallic stent(SEMS)を留置した17例、20病変を対象とした。【方法】(1)年齢(2)男女比(3)原疾患(4)狭窄長(5)ステント長(6) 成功率(7)摂食状況および症状(嘔気・腹部膨満感)の改善率(8)偶発症(9)留置後の生存期間(10)狭窄の部位別の特徴について検討した。摂食状況に関してはGastric Outlet Obstruction Scoring System(GOOSS)を用いて数値化した。(0:飲水すらできない、1:飲水できる、2:流動食を摂取できる、3:流動食以上を摂取できる)【結果】(1)42~95歳、中央値69歳(2)男性:女性=9:8(3)胃癌5病変、胆管癌3病変、膵癌12病変 (4)20~80mm、中央値65mm(5)60~120mm、中央値90mm(6)100%(7)ステント施行前のGOOSSの平均は0.47であったが、施行後は2.42と著明な改善が得られた。症状の改善率は嘔気:100%(13/13)、腹満:91%(11/12)であった。(8)疼痛2例、胆管炎1例、migration1例、再狭窄1例であった。Migration、再狭窄例に対してはいずれもre‐interventionを行った。(9)中央値63日、18-133日(10)狭窄部を前庭部~球部、下行部、水平脚に分けて検討したところ、成功率、偶発症発生率、ステント留置後の生存期間に差を認めなかったが、ステント施行前の摂食障害が下行部でGOOSS 0.17と強い傾向にあった。【まとめ】成功率は100%であり、重篤な偶発症を認めなかった。ステント留置術により摂食状況が改善し、特に下行部におけるQOLの改善が期待された。 |
索引用語 | 胃・十二指腸, ステント |